放射線治療専門技師試験|分野別過去問分析
【放射線治療専門技師】品質管理・品質保証(線量計・測定器)の過去問8年分を分析|頻出テーマと覚えるべき語句
線量計、電位計、フィルム、半導体検出器などの特性と品質管理を扱います。測定対象に合う検出器を選ぶ力が中心です。
この記事では、H29・H30・R2・R3・R4・R5・R6・R7の40問を横断し、問題文を転載せずに主題と公開選択肢を独自分類しました。年度別の出題、頻出テーマ、具体的な問題例、最後に覚えるべき語句の順で整理します。
集計対象:40問(5問×8年)、公開選択肢165件。
まず分かったこと
- 最多主題は「電離箱の種類・使用条件」で15問、選択肢では69件登場しました。
- 次いで「極性・再結合・各種補正」が12問です。主題だけでなく選択肢でも繰り返されています。
- 検出器の長所だけを見せ、エネルギー依存性や方向依存性を見落とさせる形式が多い。
- 検出器の基本特性は共通ですが、小照射野、FFF、高線量率、電子線プロトコルは更新資料の適用範囲を確認します。
8年分の出題内容

8年間を主題別に並べると、中心は「電離箱の種類・使用条件」です。同じ分野でも年度によって、定義・数値・計算・測定方法・正誤・組合せへ聞き方が変わります。
年度別5問一覧
| 年度 | 問1 | 問2 | 問3 | 問4 | 問5 |
|---|---|---|---|---|---|
| H29 | 電離箱の印加電圧 | 加速器ヘッド内のモニタ線量計配置と電離箱補正原理 | 小照射野検出器の感度体積・空間分解能と各固体線… | 極性効果補正係数 | 電離電荷を測定できる検出器 |
| H30 | 電離箱線量計の取り扱い | 暗電流、ドリフト、リーク、ステム効果の定義 | イオン再結合補正係数 | 極性効果、ステム効果、平行平板形の保護電極、円… | プレドーズ、極性切替後安定、ウォームアップ、一… |
| R2 | 放射線治療用線量計と電位計の校正 | 線量計測原理と検出量の区別 | 円筒形電離箱 | 極性効果 | 平行平板形電離箱 |
| R3 | イオン再結合補正係数 | 電離箱測定・阻止能比・電子線検出器選択 | 医療用線量標準センター | 3次元水ファントムとビームデータ測定 | 位置照合装置の画像線量評価 |
| R4 | 平行平板形電離箱線量計 | イオン再結合 | 線質変換係数を構成する項目 | 電位計のゼロ点ドリフトの点検 | 次元水ファントムの取扱い |
| R5 | フィルム線量計の組織等価性、線量率・エネルギー… | イオン再結合 | 密封小線源治療の線源強度測定 | ダイヤモンド検出器・シリコンダイオード検出器 | k_Q |
| R6 | IMRT線量検証に用いる電離箱の有感体積と体積… | 線質変換係数 | 外部モニタ線量計 | 電位計 | イオン再結合補正 |
| R7 | QA・QC(線量計) | QA・QC(線量計) | QA・QC(線量計) | QA・QC(線量計) | QA・QC(線量計) |
各セルは問題文の転載ではなく、その問題で中心になった知識を短く言い換えています。
頻出テーマランキング

| 順位 | テーマ | 主題 | 選択肢 | 出題年度 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 電離箱の種類・使用条件 | 15問 | 69件 | H29・H30・R2・R3・R4・R6・R7 |
| 2 | 極性・再結合・各種補正 | 12問 | 51件 | H29・H30・R3・R4・R5・R6・R7 |
| 3 | 電位計・漏れ・ドリフト・校正 | 6問 | 21件 | H30・R2・R3・R4・R6 |
| 4 | フィルム・半導体・固体検出器 | 5問 | 17件 | H29・R5・R7 |
| 5 | 小線源の線源強度測定 | 2問 | 3件 | R5・R7 |
| 6 | 検出器選択・空間分解能 | 0問 | 4件 | 選択肢のみ |
主題数と選択肢登場数を分けると、他テーマの誤答候補として繰り返される知識も見つかります。
繰り返し問われている内容
1.電離箱の種類・使用条件
主題は15問、選択肢では69件。主題となった年度はH29・H30・R2・R3・R4・R6・R7です。
- 主な聞かれ方:電離箱の形状と、適した線質・測定条件を対応付ける。
- 復習の軸:形状、体積、測定点、用途、弱点を比較表にする。
- 問題文に直すと:「電離箱の種類について、円筒形、平行平板形、ウェル形を、有感体積、基準点、線質、用途で比較する。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
2.極性・再結合・各種補正
主題は12問、選択肢では51件。主題となった年度はH29・H30・R3・R4・R5・R6・R7です。
- 主な聞かれ方:補正係数の意味と測定方法を判定させる。
- 復習の軸:補正前後で何が変わるか、測定条件を変える理由を説明する。
- 問題文に直すと:「kpol・ksについて、極性反転と二点電圧法の目的を区別し、補正係数の定義と適用順を確認する。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
3.電位計・漏れ・ドリフト・校正
主題は6問、選択肢では21件。主題となった年度はH30・R2・R3・R4・R6です。
- 主な聞かれ方:測定系の安定性、校正、電荷測定の品質管理を問う。
- 復習の軸:線量計と電位計を別機器として、それぞれの確認項目を整理する。
- 問題文に直すと:「電位計・漏れ・ドリフトについて、線量計と電位計を別機器として校正し、ゼロ点、漏れ、直線性、安定性を点検する。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
4.フィルム・半導体・固体検出器
主題は5問、選択肢では17件。主題となった年度はH29・R5・R7です。
- 主な聞かれ方:検出器ごとの空間分解能、線量率依存、エネルギー依存を比較させる。
- 復習の軸:用途、利点、制約、読み取り方法を4列で整理する。
- 問題文に直すと:「フィルム・半導体について、空間分解能、エネルギー・線量率・方向依存、校正曲線、読み取り条件を比較する。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
5.小線源の線源強度測定
主題は2問、選択肢では3件。主題となった年度はR5・R7です。
- 主な聞かれ方:小線源の強度指標と測定器、校正方法を組み合わせて問う。
- 復習の軸:空気カーマ強度、基準空気カーマ率、ウェル形電離箱の役割を整理する。
- 問題文に直すと:「小線源強度について、ウェル形電離箱の校正、線源位置、再現性、基準空気カーマ率の関係を理解する。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
6.検出器選択・空間分解能
主題は0問、選択肢では4件。主題となった年度は主題としての該当なしです。
- 主な聞かれ方:測定目的に応じた検出器選択と、系統誤差を問う。
- 復習の軸:小照射野、プロファイル、絶対線量で優先する特性を分ける。
- 問題文に直すと:「小照射野の検出器について、有感体積だけで選ばず、体積平均、擾乱、線質・方向依存を測定目的ごとに比較する。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
具体的な問題例(過去問の丸写しではないオリジナル)
以下は実際の選択肢が狙う知識を土台に、主語・数値・条件・正誤を入れ替えて新規作成した例題です。過去問の文面は転載していません。
例題1|極性効果
電離箱の極性効果補正に関する記述で正しいのはどれか。
- A. 正負どちらか一方の印加電圧だけで決定する
- B. 正負両極性の読み値を用いて評価する
- C. ビルドアップ領域では常に無視できる
- D. 電離箱の構造には依存しない
正答:B
解説:極性効果は正負両極性の読みを比較して評価する。線質、深さ、電離箱構造などに依存し得る。
注意点:極性効果とイオン再結合を同じ補正としない。
例題2|外部モニタ線量計
水ファントム走査時に外部モニタ線量計を用いる主な目的はどれか。
- A. 水温を測定する
- B. 照射中の出力変動を規格化する
- C. 電離箱の有効中心を移動する
- D. 線質変換係数を直接決定する
正答:B
解説:外部モニタ線量計は走査中の装置出力変動を補正し、測定点間の比較精度を保つ。
注意点:装置内蔵モニタ線量計の校正と、水中走査の外部参照検出器を混同しない。
例題3|電位計校正
電離箱と電位計を別々に校正した場合の取扱いで正しいのはどれか。
- A. 電位計校正定数は測定値へ適用しない
- B. 電位計校正定数を読み値へ適用する
- C. 表示桁数が多ければ校正は不要である
- D. 校正後はゼロドリフトを確認しなくてよい
正答:B
解説:分離校正では電離箱校正定数と電位計校正定数をそれぞれ適用する。漏れ、ゼロ、安定性の点検も必要である。
注意点:一体校正と分離校正で使う校正定数を混同しない。
例題4|ラジオクロミックフィルム
ラジオクロミックフィルムに関する記述で正しいのはどれか。
- A. 暗室でのみ取り扱える
- B. 照射直後から発色は時間変化しない
- C. スキャナへ置く向きによる応答差を確認する
- D. 診断用ラジオグラフィックフィルムよりエネルギー依存性が必ず大きい
正答:C
解説:ラジオクロミックフィルムは明室で扱えるが、照射後発色とスキャン方向依存性を管理する必要がある。
注意点:取扱いやすさと、読取条件への非依存性を同じと考えない。
選択肢で間違えやすいポイント
- 極性反転の試験と二点電圧法を同じ補正とする。
- 小型検出器ならすべて小照射野に適するとする。
- 線量計と電位計の校正を一体の校正だけで済ませる。
- フィルムは高分解能なので校正曲線が不要とする。
初学者向けの解き方
- 測る量が絶対線量、相対分布、線源強度のどれかを決める。
- 線質、照射野、線量率、深さに合う検出器を選ぶ。
- 校正、漏れ、極性、再結合、安定性を確認する。
- 検出器固有の依存性を不確かさへ含める。
最後に覚えるべき語句
- 校正定数:基準機関につながる校正によって、読みに吸収線量などの量を結び付ける係数。
- 極性効果:印加電圧の極性を変えたときに読みが変わる現象。補正や確認が必要。
- イオン再結合:生成したイオンの一部が収集前に再結合し、読みが小さくなる現象。
- 体積平均:検出器の有感体積内で急な線量変化が平均化されること。小照射野で重要。
- 電離箱の種類:円筒形、平行平板形、ウェル形を、有感体積、基準点、線質、用途で比較する。
- kpol・ks:極性反転と二点電圧法の目的を区別し、補正係数の定義と適用順を確認する。
- フィルム・半導体:空間分解能、エネルギー・線量率・方向依存、校正曲線、読み取り条件を比較する。
- 電位計・漏れ・ドリフト:線量計と電位計を別機器として校正し、ゼロ点、漏れ、直線性、安定性を点検する。
- 小線源強度:ウェル形電離箱の校正、線源位置、再現性、基準空気カーマ率の関係を理解する。
- 小照射野の検出器:有感体積だけで選ばず、体積平均、擾乱、線質・方向依存を測定目的ごとに比較する。
まとめ
品質管理・品質保証(線量計・測定器)は、単語だけでなく、定義・条件・数値・手順を対応させて説明できる状態にすることが重要です。まず「電離箱の種類・使用条件」と「極性・再結合・各種補正」を優先し、年度別一覧と選択肢のひっかけを使って周辺知識を広げてください。
注意:検出器の基本特性は共通ですが、小照射野、FFF、高線量率、電子線プロトコルは更新資料の適用範囲を確認します。 外部基準の確認日は2026-09-16です。本記事は問題文・選択肢を転載せず、出題領域を独自に分類・要約しています。頻度は本記事の分類基準によるもので、出題予想ではありません。