放射線治療専門技師試験|分野別過去問分析
【放射線治療専門技師】品質管理・品質保証(計画CT・シミュレータ)の過去問8年分を分析|頻出テーマと覚えるべき語句
治療計画CT、画像登録、呼吸性移動、IGRT座標系の品質管理を扱う分野です。画質と幾何学精度を分けることが基本です。
この記事では、H29・H30・R2・R3・R4・R5・R6・R7の40問を横断し、問題文を転載せずに主題と公開選択肢を独自分類しました。年度別の出題、頻出テーマ、具体的な問題例、最後に覚えるべき語句の順で整理します。
集計対象:40問(5問×8年)、公開選択肢163件。
まず分かったこと
- 最多主題は「幾何学・レーザー・寝台QA」で13問、選択肢では57件登場しました。
- 次いで「呼吸性移動・4DCT」が9問です。主題だけでなく選択肢でも繰り返されています。
- CT値、相対電子密度、画像品質、幾何学精度の対象を入れ替える形式が多い。
- TG-66は基本資料ですが、4DCT、dual-energy CT、拡張FOVなど新技術は追加資料が必要です。IGRTは国内2019ガイドラインと施設手順を確認します。
8年分の出題内容

8年間を主題別に並べると、中心は「幾何学・レーザー・寝台QA」です。同じ分野でも年度によって、定義・数値・計算・測定方法・正誤・組合せへ聞き方が変わります。
年度別5問一覧
| 年度 | 問1 | 問2 | 問3 | 問4 | 問5 |
|---|---|---|---|---|---|
| H29 | CT・相対電子濃度・密度・変換テーブル | 放射線治療計画用・CT | 治療計画用・CT | 治療体位再現と呼吸同期CTの目的 | 治療計画用・CT・シミュレータの品質管理 |
| H30 | 放射線治療計画用・CT | CT修理後QA、CT値精度・均一性、レーザー幾… | CT―治療計画装置間データ転送、座標系、スライ… | 治療計画CTの患者支持台、位置再現性、基本機能… | 放射線治療計画用・CT・撮影 |
| R2 | CT・シミュレータ画像の用途 | CT・シミュレータ | CT・シミュレータ | 線シミュレータの品質管理 | CT |
| R3 | 呼吸による腫瘍 | 放射線治療計画・CT・撮影 | IGRT・の物理・技術的な精度管理プログラム | 治療計画シミュレーションの患者準備と体位 | CT・シミュレータの仕様に必須でないの |
| R4 | 治療計画CT、臓器運動、固定・再現性および全身… | 呼吸性移動対策 | CT | IGRT・ガイドライン | IGRT |
| R5 | 治療計画・CT | CT・値と相対電子濃度曲線 | 治療計画・CT | IGRT・ガイドライン | IGRT・ガイドライン |
| R6 | CT | IGRT・装置の品質管理 | 治療計画用・CT・の精度管理に必要な項目 | 呼吸による腫瘍の移動長確認として | IGRT QA/QCプログラムに含める項目 |
| R7 | QA・QC(Sim) | QA・QC(Sim) | QA・QC(Sim) | QA・QC(Sim) | QA・QC(Sim) |
各セルは問題文の転載ではなく、その問題で中心になった知識を短く言い換えています。
頻出テーマランキング

| 順位 | テーマ | 主題 | 選択肢 | 出題年度 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 幾何学・レーザー・寝台QA | 13問 | 57件 | H29・H30・R2・R3・R5・R6・R7 |
| 2 | 呼吸性移動・4DCT | 9問 | 32件 | H29・H30・R3・R4・R5・R6・R7 |
| 3 | CT値・電子密度変換 | 8問 | 31件 | H29・R2・R3・R4・R5・R6・R7 |
| 4 | IGRT・画像照合・座標一致 | 8問 | 25件 | R4・R5・R6・R7 |
| 5 | 画質・撮影条件・アーチファクト | 1問 | 13件 | H29 |
| 6 | DICOM・画像登録・データ転送 | 1問 | 5件 | H30 |
主題数と選択肢登場数を分けると、他テーマの誤答候補として繰り返される知識も見つかります。
繰り返し問われている内容
1.幾何学・レーザー・寝台QA
主題は13問、選択肢では57件。主題となった年度はH29・H30・R2・R3・R5・R6・R7です。
- 主な聞かれ方:画像・レーザー・寝台座標の一致を判定させる。
- 復習の軸:既知位置ファントムで各座標を別々に測る。
- 問題文に直すと:「レーザー・寝台・座標について、画像中心、外部レーザー、寝台移動量・たわみ、FOV内位置精度を分けて測る。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
2.呼吸性移動・4DCT
主題は9問、選択肢では32件。主題となった年度はH29・H30・R3・R4・R5・R6・R7です。
- 主な聞かれ方:呼吸性移動の測定法とアーチファクトを問う。
- 復習の軸:呼吸信号、再構成、移動範囲、ITV反映の順で整理する。
- 問題文に直すと:「4DCTと動体評価について、位相・振幅分類、呼吸不規則性、再構成アーチファクト、ITVへの反映を整理する。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
3.CT値・電子密度変換
主題は8問、選択肢では31件。主題となった年度はH29・R2・R3・R4・R5・R6・R7です。
- 主な聞かれ方:CT値と密度の変換条件・点検を問う。
- 復習の軸:管電圧、撮影条件、ファントム、TPS登録を一連で確認する。
- 問題文に直すと:「CT値-密度変換について、使用プロトコル、管電圧、ファントム条件をそろえ、CT値と相対電子密度の対応を管理する。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
4.IGRT・画像照合・座標一致
主題は8問、選択肢では25件。主題となった年度はR4・R5・R6・R7です。
- 主な聞かれ方:画像照合系と治療座標の一致、画質、線量を問う。
- 復習の軸:画質、幾何学一致、補正方向、画像線量を分けて確認する。
- 問題文に直すと:「IGRT座標一致について、画像系の画質だけでなく、画像中心と放射線アイソセンタの一致、補正方向を確認する。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
5.画質・撮影条件・アーチファクト
主題は1問、選択肢では13件。主題となった年度はH29です。
- 主な聞かれ方:画質指標と撮影条件・目的を対応付ける。
- 復習の軸:分解能、ノイズ、均一性、スライス厚を別指標として覚える。
- 問題文に直すと:「画像品質について、空間分解能、低コントラスト、均一性、ノイズ、スライス厚を撮影条件とセットで確認する。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
6.DICOM・画像登録・データ転送
主題は1問、選択肢では5件。主題となった年度はH30です。
- 主な聞かれ方:画像・輪郭・座標の転送と登録誤差を問う。
- 復習の軸:患者、座標、密度、輪郭、装置情報の確認点を列挙する。
- 問題文に直すと:「DICOM転送について、患者ID、座標、スライス、輪郭、密度、装置名など、転送後に変化してはいけない項目を確認する。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
具体的な問題例(過去問の丸写しではないオリジナル)
以下は実際の選択肢が狙う知識を土台に、主語・数値・条件・正誤を入れ替えて新規作成した例題です。過去問の文面は転載していません。
例題1|CT値
治療計画CTのCT値に関する記述で正しいのはどれか。
- A. 管電圧を変えてもCT値は変化しない
- B. 被写体の実効原子番号はCT値に影響しない
- C. CT値―電子密度変換テーブルは定期的な確認が必要である
- D. X線管の経年変化は画質にもCT値にも影響しない
正答:C
解説:CT値は撮影条件や物質特性の影響を受けるため、臨床条件ごとのCT値―電子密度変換とその不変性を管理する。
注意点:診断画質が良好でも、線量計算用変換が正しいとは限らない。
例題2|CTシミュレータQA
CTシミュレータの幾何学QAに関する組合せで正しいのはどれか。
- A. 寝台移動精度―既知距離を移動させて実移動量と比較
- B. CT値精度―高コントラスト分解能パターンだけで評価
- C. スライス厚―外部レーザー間距離だけで評価
- D. 撮像中心―水の平均CT値だけで評価
正答:A
解説:寝台移動精度は既知移動量との比較で評価する。CT値、スライス厚、撮像中心はそれぞれ別のファントム・指標を用いる。
注意点:幾何学、画質、CT値の試験対象を混ぜない。
例題3|呼吸同期
呼吸同期照射に関する記述で正しいのはどれか。
- A. 呼吸信号からビーム開始までの遅延は照射位置に影響しない
- B. 呼吸変動があってもゲート幅の再確認は不要である
- C. システム遅延は動体ファントムなどで確認する
- D. 4DCTのMIP画像をそのまま線量計算の基準画像にする
正答:C
解説:信号取得から照射までの遅延は位相ずれを生むため、動体ファントム等で確認する。MIPは主に移動範囲の把握に用いる。
注意点:呼吸位相の表示と実際のビーム応答を同時刻とみなさない。
例題4|CBCT幾何精度
Cアーム型CBCTの幾何学精度管理で正しいのはどれか。
- A. ガントリ角度に伴う機械的たわみを考慮する
- B. 画像中心と照射中心の一致は大きな金属体だけで確認する
- C. 寝台位置や患者サイズは撮影可能範囲に影響しない
- D. 導入後は座標一致を確認する必要がない
正答:A
解説:Cアームでは回転に伴うたわみなどが幾何学精度へ影響する。小球ファントム等で画像中心と照射中心の一致を確認する。
注意点:画質QAと座標一致QAを同じ試験だと考えない。
選択肢で間違えやすいポイント
- CT画質が良ければCT値-密度変換も正しいとする。
- レーザー、画像中心、寝台座標の試験を一つにまとめる。
- 4DCT撮影で呼吸不規則性の影響がなくなるとする。
- IGRTの画質QAと画像系-照射系の座標一致QAを混同する。
初学者向けの解き方
- 撮影目的に合う体位、固定、呼吸条件を決める。
- 画像品質、CT値、幾何学、レーザーを確認する。
- 輪郭、座標、密度情報が正しく転送されたか確認する。
- 動きとIGRTの残余誤差を治療計画へ反映する。
最後に覚えるべき語句
- CT値-密度変換:CT値を線量計算に必要な相対電子密度や物理密度へ結び付ける校正。
- 幾何学精度:画像座標、寝台移動、レーザー、外部輪郭の位置関係が正しいこと。
- 4DCT:呼吸位相または振幅ごとに画像を整理し、動く標的の範囲を評価する方法。
- IGRT座標一致:画像照合系が示す補正量と治療照射系の座標が一致していること。
- レーザー・寝台・座標:画像中心、外部レーザー、寝台移動量・たわみ、FOV内位置精度を分けて測る。
- 画像品質:空間分解能、低コントラスト、均一性、ノイズ、スライス厚を撮影条件とセットで確認する。
- 4DCTと動体評価:位相・振幅分類、呼吸不規則性、再構成アーチファクト、ITVへの反映を整理する。
- DICOM転送:患者ID、座標、スライス、輪郭、密度、装置名など、転送後に変化してはいけない項目を確認する。
まとめ
品質管理・品質保証(計画CT・シミュレータ)は、単語だけでなく、定義・条件・数値・手順を対応させて説明できる状態にすることが重要です。まず「幾何学・レーザー・寝台QA」と「呼吸性移動・4DCT」を優先し、年度別一覧と選択肢のひっかけを使って周辺知識を広げてください。
注意:TG-66は基本資料ですが、4DCT、dual-energy CT、拡張FOVなど新技術は追加資料が必要です。IGRTは国内2019ガイドラインと施設手順を確認します。 外部基準の確認日は2026-09-16です。本記事は問題文・選択肢を転載せず、出題領域を独自に分類・要約しています。頻度は本記事の分類基準によるもので、出題予想ではありません。