放射線治療専門技師試験|分野別過去問分析
【放射線治療専門技師】品質管理・品質保証(治療装置)の過去問8年分を分析|頻出テーマと覚えるべき語句
リニアックなど治療装置の幾何学、出力、機械系、画像系の品質管理を扱います。試験では点検項目と目的の対応が中心です。
この記事では、H29・H30・R2・R3・R4・R5・R6・R7の40問を横断し、問題文を転載せずに主題と公開選択肢を独自分類しました。年度別の出題、頻出テーマ、具体的な問題例、最後に覚えるべき語句の順で整理します。
集計対象:40問(5問×8年)、公開選択肢162件。
まず分かったこと
- 最多主題は「出力・線量率・平坦度・対称性」で13問、選択肢では41件登場しました。
- 次いで「アイソセンタ・幾何学精度」が10問です。主題だけでなく選択肢でも繰り返されています。
- 点検法の名称だけでなく、何の誤差を検出するかを問う。
- 過去問ではTG-142型の頻度・許容値が中心です。現在はTG-198、MPPG 8.b、リスクベースQAも併用されるため、表の数値は出典の版を付けて扱います。
8年分の出題内容

8年間を主題別に並べると、中心は「出力・線量率・平坦度・対称性」です。同じ分野でも年度によって、定義・数値・計算・測定方法・正誤・組合せへ聞き方が変わります。
年度別5問一覧
| 年度 | 問1 | 問2 | 問3 | 問4 | 問5 |
|---|---|---|---|---|---|
| H29 | 選択肢4は幾何学的原理で照合 | 修理後の対応 | 線量プロフィル | MLC QA、Picket-Fence、MLC… | 標準テキストにTG-142の位置づけ、原典表に… |
| H30 | MLC | MLC | PDD・プロファイル測定、実効測定点、半影、平… | 物理ウェッジの角度定義、ウェッジ係数、SSD・… | 品質管理項目として |
| R2 | 外部照射装置の幾何・画像・呼吸同期QAの考え方 | 平坦度と対称性 | IGRTシステムのQA・QC、画像照合装置、座… | 線ターゲットへの入射電子 | 外部照射治療装置の品質管理 |
| R3 | アイソセンタ | IMRTインシデントの工程別分類 | MLC・の品質管理 | 外部照射治療装置 | IGRT・システム品質管理で毎月行うの |
| R4 | MLC・の品質管理と関係ないの | モニタ線量計交換後 | 呼吸同期照射の品質管理 | 医療用加速器およびIGRT画像装置の品質保証 | 線量プロファイル |
| R5 | AAPM・TG・の放射線画像の項目にないの | WHO risk profileによる放射線治… | AAPM・TG | 放射線アイソセンタの管理項目 | モニタ線量計交換後の品質管理項目 |
| R6 | 呼吸同期照射システムの品質管理項目 | 出力不変性試験の品質管理 | リニアックの・線ビームプロファイル | DMLC、リーフ位置精度、gap幅とフルエンス… | 機械的・放射線アイソセンタの定義とWinsto… |
| R7 | QA・QC(治療装置) | QA・QC(治療装置) | QA・QC(治療装置) | QA・QC(治療装置) | QA・QC(治療装置) |
各セルは問題文の転載ではなく、その問題で中心になった知識を短く言い換えています。
頻出テーマランキング

| 順位 | テーマ | 主題 | 選択肢 | 出題年度 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 出力・線量率・平坦度・対称性 | 13問 | 41件 | H29・H30・R2・R4・R5・R6 |
| 2 | アイソセンタ・幾何学精度 | 10問 | 37件 | H29・H30・R2・R3・R5・R6・R7 |
| 3 | MLC・ガントリ・寝台・コリメータ | 7問 | 48件 | H30・R2・R3・R4・R5・R6 |
| 4 | 受入試験・コミッショニング・定期QA | 5問 | 22件 | R3・R5・R7 |
| 5 | 画像系・IGRT装置QA | 3問 | 6件 | R2・R5・R7 |
| 6 | 安全機構・リスクベースQA | 2問 | 8件 | H29・R4 |
主題数と選択肢登場数を分けると、他テーマの誤答候補として繰り返される知識も見つかります。
繰り返し問われている内容
1.出力・線量率・平坦度・対称性
主題は13問、選択肢では41件。主題となった年度はH29・H30・R2・R4・R5・R6です。
- 主な聞かれ方:ビーム出力とプロファイルの恒常性、測定頻度を問う。
- 復習の軸:基準値、許容幅、測定頻度、臨床影響を4列で整理する。
- 問題文に直すと:「出力・線質・プロファイルについて、日常・月例・年次の頻度と許容値は基準文書の版を付け、基準値からの変化として覚える。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
2.アイソセンタ・幾何学精度
主題は10問、選択肢では37件。主題となった年度はH29・H30・R2・R3・R5・R6・R7です。
- 主な聞かれ方:ガントリ、コリメータ、寝台の回転中心と照射中心の一致を評価させる。
- 復習の軸:各試験法が評価する軸と、画像で見えるずれを対応付ける。
- 問題文に直すと:「アイソセンタ試験について、スターショットとWinston-Lutzが評価する中心・回転軸・画像の違いを区別する。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
3.MLC・ガントリ・寝台・コリメータ
主題は7問、選択肢では48件。主題となった年度はH30・R2・R3・R4・R5・R6です。
- 主な聞かれ方:機械系の位置精度、動作、照射野形成の誤差を判定させる。
- 復習の軸:各機構の誤差が線量分布へどう現れるかを説明する。
- 問題文に直すと:「MLCと機械系について、リーフ位置、キャリッジ、ガントリ・寝台・コリメータ角度の誤差を線量分布への影響まで結ぶ。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
4.受入試験・コミッショニング・定期QA
主題は5問、選択肢では22件。主題となった年度はR3・R5・R7です。
- 主な聞かれ方:導入時と運用時の試験目的、責任範囲を区別させる。
- 復習の軸:受入、コミッショニング、基準値作成、定期確認の順序を整理する。
- 問題文に直すと:「受入・コミッショニング・定期QAについて、仕様確認、臨床基準データ取得、恒常性確認の目的と実施時期を区別する。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
5.画像系・IGRT装置QA
主題は3問、選択肢では6件。主題となった年度はR2・R5・R7です。
- 主な聞かれ方:画像座標と治療座標の一致、画質、線量を評価させる。
- 復習の軸:幾何学一致、画質、画像線量の3項目を分けて覚える。
- 問題文に直すと:「画像系について、幾何学一致、画質、画像線量を別項目として確認し、照射系座標との一致を重視する。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
6.安全機構・リスクベースQA
主題は2問、選択肢では8件。主題となった年度はH29・R4です。
- 主な聞かれ方:安全機構とリスク評価に基づく点検項目を問う。
- 復習の軸:故障時の患者影響から、点検の優先度を逆算する。
- 問題文に直すと:「インターロックとリスクQAについて、故障モードの患者影響から優先度を決め、逸脱時の使用判断・是正・記録へつなげる。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
具体的な問題例(過去問の丸写しではないオリジナル)
以下は実際の選択肢が狙う知識を土台に、主語・数値・条件・正誤を入れ替えて新規作成した例題です。過去問の文面は転載していません。
例題1|呼吸同期QA
呼吸同期照射システムの定期QAで、呼吸信号と関連付けて確認すべき項目はどれか。
- A. ゲート照射時のビーム出力不変性
- B. 光照射野と放射線照射野の一致
- C. 寝台回転軸の機械的中心
- D. 光学距離計の表示精度
正答:A
解説:ゲーティング状態でも設定した位相・振幅でビームが正しく開始・停止し、出力が保たれることを確認する。
注意点:一般的な装置QA項目と、呼吸同期特有の連動試験を分ける。
例題2|アイソセンタ精度
Winston–Lutz試験で主に評価するものはどれか。
- A. 水中のPDD
- B. 小球中心と各角度の放射線中心との一致
- C. CT値と電子密度の変換
- D. 電離箱の極性効果
正答:B
解説:小球を基準に、ガントリ・コリメータ・寝台角度を変えたときの放射線中心の一致を評価する。
注意点:機械的中心、画像中心、放射線中心は別々に確認する。
例題3|DMLC出力比
公称1.0 cmの一定ギャップでDMLC試験を行い、出力が基準より3%大きかった。出力がギャップ幅に比例すると近似したとき、ギャップのずれとして最も近いのはどれか。
- A. 0.003 cm
- B. 0.03 cm
- C. 0.3 cm
- D. 3 cm
正答:B
解説:1.0 cm×0.03=0.03 cm。一定ギャップ試験では小さなリーフ位置差が出力差として増幅される。
注意点:百分率を小数へ直し、ギャップ幅との比例関係を確認する。
例題4|受入・コミッショニング・定期QA
放射線治療装置の導入工程と目的の組合せで正しいのはどれか。
- A. 受入試験―臨床ビームモデルを最終調整する
- B. コミッショニング―臨床使用に必要なビーム特性を取得・検証する
- C. 定期QA―メーカー仕様への適合だけを初回に確認する
- D. 患者別QA―装置の全機能を年1回確認する
正答:B
解説:受入試験は契約仕様の確認、コミッショニングは臨床データ整備と検証、定期QAは基準状態からの不変性確認を担う。
注意点:各工程の時期と目的を入れ替えない。
選択肢で間違えやすいポイント
- 日常・月例・年次のQA頻度と許容値を入れ替える。
- スターショットとWinston-Lutzの評価対象を混同する。
- MLC位置誤差を機械誤差だけで終え、線量影響を見落とす。
- 受入試験、コミッショニング、恒常性試験を同じ目的とする。
初学者向けの解き方
- 試験対象を線量、幾何学、機械、画像、安全機構に分ける。
- 測定法がどの誤差を検出するかを対応付ける。
- 基準値との差と許容範囲を確認する。
- 逸脱時は患者影響を評価し、使用判断、修正、記録へ進む。
最後に覚えるべき語句
- 受入試験:購入仕様どおりに装置が納入されたかを確認する試験。
- コミッショニング:臨床使用のための基準データと性能を詳しく確認し、運用条件を整える工程。
- 恒常性試験:導入時の基準値から性能がずれていないかを日常、月例、年次などで追う。
- アイソセンタ:ガントリ、コリメータ、寝台などの回転中心と放射線中心の関係を評価する基準点。
- アイソセンタ試験:スターショットとWinston-Lutzが評価する中心・回転軸・画像の違いを区別する。
- 出力・線質・プロファイル:日常・月例・年次の頻度と許容値は基準文書の版を付け、基準値からの変化として覚える。
- MLCと機械系:リーフ位置、キャリッジ、ガントリ・寝台・コリメータ角度の誤差を線量分布への影響まで結ぶ。
- 画像系:幾何学一致、画質、画像線量を別項目として確認し、照射系座標との一致を重視する。
- 受入・コミッショニング・定期QA:仕様確認、臨床基準データ取得、恒常性確認の目的と実施時期を区別する。
- インターロックとリスクQA:故障モードの患者影響から優先度を決め、逸脱時の使用判断・是正・記録へつなげる。
まとめ
品質管理・品質保証(治療装置)は、単語だけでなく、定義・条件・数値・手順を対応させて説明できる状態にすることが重要です。まず「出力・線量率・平坦度・対称性」と「アイソセンタ・幾何学精度」を優先し、年度別一覧と選択肢のひっかけを使って周辺知識を広げてください。
注意:過去問ではTG-142型の頻度・許容値が中心です。現在はTG-198、MPPG 8.b、リスクベースQAも併用されるため、表の数値は出典の版を付けて扱います。 外部基準の確認日は2026-09-16です。本記事は問題文・選択肢を転載せず、出題領域を独自に分類・要約しています。頻度は本記事の分類基準によるもので、出題予想ではありません。