放射線治療専門技師試験|分野別過去問分析
【放射線治療専門技師】品質管理・品質保証(治療計画装置)の過去問8年分を分析|頻出テーマと覚えるべき語句
RTPSの体積定義、線量計算、計画評価、コミッショニングを扱う分野です。計算結果だけでなく、入力から検証までの工程が問われます。
この記事では、H29・H30・R2・R3・R4・R5・R6・R7の40問を横断し、問題文を転載せずに主題と公開選択肢を独自分類しました。年度別の出題、頻出テーマ、具体的な問題例、最後に覚えるべき語句の順で整理します。
集計対象:40問(5問×8年)、公開選択肢164件。
まず分かったこと
- 最多主題は「RTPS受入・コミッショニング」で11問、選択肢では42件登場しました。
- 次いで「ICRU体積・処方・線量報告」が9問です。主題だけでなく選択肢でも繰り返されています。
- ICRU体積、DVH、線量評価指標の定義を一部入れ替える形式が多い。
- 旧来のTG-53型概念に加え、現行ではMPPG 5.bなどによる非基準条件・臨床条件の検証が重要です。メーカー受入と臨床コミッショニングを区別します。
8年分の出題内容

8年間を主題別に並べると、中心は「RTPS受入・コミッショニング」です。同じ分野でも年度によって、定義・数値・計算・測定方法・正誤・組合せへ聞き方が変わります。
年度別5問一覧
| 年度 | 問1 | 問2 | 問3 | 問4 | 問5 |
|---|---|---|---|---|---|
| H29 | 体幹部定位放射線治療の治療計画 | BED式と等価分割スケジュールの計算法を直接記載 | DVH指標、V20、HI、CIの定義 | 治療計画 | 治療標的体積 |
| H30 | ICRU・基準点の記述 | CT・相対電子濃度・密度・変換データ | V20、D95・V95、DVHの限界、直列臓器… | 線量計算アルゴリズムの記載 | IMRT線量検証、検出器体積平均、MLC位置、… |
| R2 | 治療計画装置のコミッショニング | CT | DVH | 画像照合・治療計画システムQAの原則からDIR… | Clarkson積分、等価行路長、Convol… |
| R3 | 線量計算アルゴリズム | 線量分布検証手法 | 治療計画装置の導入時に | LQモデルと生物学的効果線量 | CT・値と相対電子密度曲線 |
| R4 | 治療計画装置 | マージン算出 | ICRU・Report・IMRT | 線量計算アルゴリズム | 治療計画装置 |
| R5 | 放射線治療で用いられる体積 | 線量計算アルゴリズム | RTPS | DVH表示とD・V指標、CI・HI | ICRU・基準点 |
| R6 | RTPS・のコミッショニング項目 | MU・値の独立検証方法 | X線線量計算アルゴリズムの補正ベース法とモデル… | RTPS・QA/QC | 線量体積ヒストグラム |
| R7 | QA・QC(RTPS) | QA・QC(RTPS) | QA・QC(RTPS) | QA・QC(RTPS) | QA・QC(RTPS) |
各セルは問題文の転載ではなく、その問題で中心になった知識を短く言い換えています。
頻出テーマランキング

| 順位 | テーマ | 主題 | 選択肢 | 出題年度 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | RTPS受入・コミッショニング | 11問 | 42件 | H30・R2・R3・R4・R5・R6・R7 |
| 2 | ICRU体積・処方・線量報告 | 9問 | 49件 | H29・H30・R2・R3・R4・R5・R7 |
| 3 | DVH・HI・CI・線量分布評価 | 8問 | 23件 | H29・H30・R2・R4・R5・R6・R7 |
| 4 | 線量計算アルゴリズム・不均質補正 | 7問 | 30件 | H29・H30・R2・R3・R4・R5・R6 |
| 5 | 独立計算・データ転送・計算検証 | 3問 | 12件 | H29・R3・R6 |
| 6 | 分割照射・BED・等価線量 | 2問 | 8件 | H29・R3 |
主題数と選択肢登場数を分けると、他テーマの誤答候補として繰り返される知識も見つかります。
繰り返し問われている内容
1.RTPS受入・コミッショニング
主題は11問、選択肢では42件。主題となった年度はH30・R2・R3・R4・R5・R6・R7です。
- 主な聞かれ方:導入時の仕様確認と臨床モデル検証を区別させる。
- 復習の軸:受入、入力データ、モデル、非基準条件、臨床試験の順に並べる。
- 問題文に直すと:「受入とコミッショニングについて、仕様・非線量機能・ビームモデル・基準/非基準条件・臨床試験を段階的に検証する。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
2.ICRU体積・処方・線量報告
主題は9問、選択肢では49件。主題となった年度はH29・H30・R2・R3・R4・R5・R7です。
- 主な聞かれ方:体積と線量報告の定義を入れ替えて判定させる。
- 復習の軸:包含関係、幾何学的不確かさ、線量指標を図で整理する。
- 問題文に直すと:「ICRU体積について、GTV・CTV・ITV・PTV・TV・IV・PRVを包含関係と使用目的で説明する。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
3.DVH・HI・CI・線量分布評価
主題は8問、選択肢では23件。主題となった年度はH29・H30・R2・R4・R5・R6・R7です。
- 主な聞かれ方:DVHと計画評価指標の意味・理想方向を問う。
- 復習の軸:式、理想値、弱点、三次元分布との使い分けを整理する。
- 問題文に直すと:「DVH・HI・CIについて、指標の分子・分母、理想方向、弱点を押さえ、DVHと三次元分布を併用する。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
4.線量計算アルゴリズム・不均質補正
主題は7問、選択肢では30件。主題となった年度はH29・H30・R2・R3・R4・R5・R6です。
- 主な聞かれ方:計算手法の前提と不均質中の限界を比較させる。
- 復習の軸:一次線、散乱線、電子輸送をどこまで扱うか比較する。
- 問題文に直すと:「不均質補正について、一次線、散乱線、電子輸送の扱いを比較し、肺・骨・金属で誤差が増える条件を理解する。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
5.独立計算・データ転送・計算検証
主題は3問、選択肢では12件。主題となった年度はH29・R3・R6です。
- 主な聞かれ方:計算・転送・照射のどこを独立に確認するかを問う。
- 復習の軸:検証対象、独立性、許容基準、逸脱時対応を整理する。
- 問題文に直すと:「独立MU・計算検証について、同一アルゴリズムの再計算では独立性が弱い。入力、モデル、計算、転送のどこを検証するか明確にする。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
6.分割照射・BED・等価線量
主題は2問、選択肢では8件。主題となった年度はH29・R3です。
- 主な聞かれ方:分割法を生物学的効果へ換算させる。
- 復習の軸:n、d、総線量、α/βと適用限界をセットで確認する。
- 問題文に直すと:「BED・等価線量について、計画比較では総線量だけでなく1回線量とα/βを含め、適用限界を付けて扱う。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
具体的な問題例(過去問の丸写しではないオリジナル)
以下は実際の選択肢が狙う知識を土台に、主語・数値・条件・正誤を入れ替えて新規作成した例題です。過去問の文面は転載していません。
例題1|ICRU体積
標的体積の包含関係として一般に正しいのはどれか。
- A. PTV⊂CTV⊂GTV
- B. GTV⊂CTV⊂PTV
- C. CTV⊂GTV⊂PTV
- D. OAR⊂GTV⊂CTV
正答:B
解説:GTVに潜在的浸潤範囲を加えてCTVを設定し、幾何学的不確かさを考慮してPTVを設定する。
注意点:腫瘍の広がりと位置誤差を加える順番を逆にしない。
例題2|Homogeneity Index
ICRU 83で示される均一性指標HIの式として正しいのはどれか。
- A. (D2%-D98%)/D50%
- B. (D98%-D2%)/D50%
- C. (D2%-D50%)/D98%
- D. D50%/(D2%-D98%)
正答:A
解説:HI=(D2%-D98%)/D50%。値が小さいほどPTV内の線量が均一であることを示す。
注意点:分子の順序と分母D50%を入れ替えない。
例題3|線量計算アルゴリズム
X線線量計算アルゴリズムの分類で正しい組合せはどれか。
- A. Batho法―モデルベース
- B. Convolution/Superposition法―モデルベース
- C. Monte Carlo法―補正係数ベース
- D. rTAR法―粒子輸送シミュレーション
正答:B
解説:Convolution/Superpositionはモデルベース法。BathoやrTARは補正係数型、Monte Carloは粒子輸送を直接模擬する。
注意点:古典的補正法とモデルベース法の名称を逆にしない。
例題4|出力係数
出力係数に関する記述で正しいのはどれか。
- A. 全散乱係数ScpはScとSpの積で表せる
- B. 軸外線量比はScを求める必須因子である
- C. Spはヘッド散乱だけを表す
- D. コリメータ反転効果は照射野形状と無関係である
正答:A
解説:一般にScp=Sc×Sp。Scはヘッド・コリメータ散乱、Spはファントム散乱を表す。
注意点:ScとSpの対象を入れ替えない。
選択肢で間違えやすいポイント
- GTV・CTV・PTV・TV・IVの定義を入れ替える。
- DVHから高線量部の空間的位置まで分かるとする。
- アルゴリズム名だけで不均質中の優劣を決める。
- 受入試験の合格だけで全非基準条件が検証済みとする。
初学者向けの解き方
- 標的体積とリスク臓器の定義を確認する。
- 計算アルゴリズムと不均質補正の限界を確認する。
- 線量分布とDVHを併用して計画を評価する。
- 独立計算や測定で計算・転送・照射の整合性を確認する。
最後に覚えるべき語句
- GTV・CTV・PTV:見える腫瘍、潜在的広がりを含む標的、幾何学的不確かさを加えた計画標的。
- DVH:体積と線量の関係を要約するグラフ。高線量部の空間的位置は直接表示しない。
- 不均質補正:肺や骨など水と異なる物質での減弱、散乱、電子輸送を線量計算へ反映する。
- コミッショニング:ビームデータをモデルへ登録し、基準条件と非基準条件で計算精度を確認する工程。
- ICRU体積:GTV・CTV・ITV・PTV・TV・IV・PRVを包含関係と使用目的で説明する。
- DVH・HI・CI:指標の分子・分母、理想方向、弱点を押さえ、DVHと三次元分布を併用する。
- 受入とコミッショニング:仕様・非線量機能・ビームモデル・基準/非基準条件・臨床試験を段階的に検証する。
- 独立MU・計算検証:同一アルゴリズムの再計算では独立性が弱い。入力、モデル、計算、転送のどこを検証するか明確にする。
- BED・等価線量:計画比較では総線量だけでなく1回線量とα/βを含め、適用限界を付けて扱う。
まとめ
品質管理・品質保証(治療計画装置)は、単語だけでなく、定義・条件・数値・手順を対応させて説明できる状態にすることが重要です。まず「RTPS受入・コミッショニング」と「ICRU体積・処方・線量報告」を優先し、年度別一覧と選択肢のひっかけを使って周辺知識を広げてください。
注意:旧来のTG-53型概念に加え、現行ではMPPG 5.bなどによる非基準条件・臨床条件の検証が重要です。メーカー受入と臨床コミッショニングを区別します。 外部基準の確認日は2026-09-16です。本記事は問題文・選択肢を転載せず、出題領域を独自に分類・要約しています。頻度は本記事の分類基準によるもので、出題予想ではありません。