放射線治療専門技師試験|分野別過去問分析
【放射線治療専門技師】放射線腫瘍学の過去問8年分を分析|頻出テーマと覚えるべき語句
疾患の理解、治療適応、正常組織反応を臨床判断につなげる分野です。単語暗記より、病態と治療目的の対応が重視されます。
この記事では、H29・H30・R2・R3・R4・R5・R6・R7の40問を横断し、問題文を転載せずに主題と公開選択肢を独自分類しました。年度別の出題、頻出テーマ、具体的な問題例、最後に覚えるべき語句の順で整理します。
集計対象:40問(5問×8年)、公開選択肢160件。公開選択肢を確認できない設問(R4-Q04)は、主題だけを集計し、内容を推測していません。
まず分かったこと
- 最多主題は「正常組織反応・耐容線量」で13問、選択肢では51件登場しました。
- 次いで「病期・進展・転移・病理」が11問です。主題だけでなく選択肢でも繰り返されています。
- 疾患、病期、治療目的の組合せを判定させる形式が多い。
- 疫学値、病期分類、標準治療、臓器線量制約は更新されます。設問の統計年・分類版と、現在のJASTRO等のガイドラインを分けて確認してください。
8年分の出題内容

8年間を主題別に並べると、中心は「正常組織反応・耐容線量」です。同じ分野でも年度によって、定義・数値・計算・測定方法・正誤・組合せへ聞き方が変わります。
年度別5問一覧
| 年度 | 問1 | 問2 | 問3 | 問4 | 問5 |
|---|---|---|---|---|---|
| H29 | がん統計 | ヒトパピローマウィルス・HPV | 肺癌の転移先で最も頻度が高い臓器・組織 | 加速過分割照射 | 原発巣と転移臓器と関連が最も深いの |
| H30 | 肺癌の記述 | 関連性の少ないの | がん抑制遺伝子・関連性の高いの | 癌転移 | 乳癌の放射線治療 |
| R2 | 緊急照射を必要とする症例 | 白血病 | ヒトパピローマウイルス・HPV・感染と発 | 小細胞肺癌 | がん種と腫瘍マーカー |
| R3 | TD5/5・Gy | 肉眼的腫瘍体積 | 直列臓器 | 疾患別の標準線量分割 | 緊急照射の対象となるの |
| R4 | がん発生の原因 | がん細胞の分化度 | 分割照射の特徴として | 選択肢非公開(主題のみ) | 骨転移 |
| R5 | リスク臓器の耐容線量が最も低いの | 肺がんの組織型と好発部位 | TPSを用いない緊急照射の対象病態 | 乳癌が最も発生する部位 | 放射線作用過程で適当でない組合せ |
| R6 | 臓器と急性期有害事象の組合せ | 通常分割照射における・TD5/5 | 前立腺癌の・分類 | がん細胞における転移の経路 | 放射線治療に伴う組織の経時的変化 |
| R7 | CTVとIM・ITV・PTVの区別 | 治療可能比と放射線感受性 | 腫瘍マーカー | 皮膚の急性・晩期反応 | 寡分割照射の臨床適応 |
各セルは問題文の転載ではなく、その問題で中心になった知識を短く言い換えています。
頻出テーマランキング

| 順位 | テーマ | 主題 | 選択肢 | 出題年度 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 正常組織反応・耐容線量 | 13問 | 51件 | R2・R3・R4・R5・R6・R7 |
| 2 | 病期・進展・転移・病理 | 11問 | 48件 | H29・H30・R2・R3・R4・R5・R6 |
| 3 | 疫学・発がん因子・腫瘍マーカー | 8問 | 31件 | H29・H30・R2・R4・R7 |
| 4 | 疾患別治療適応・標準治療 | 4問 | 19件 | H29・H30・R7 |
| 5 | 線量分割・治療目的 | 2問 | 7件 | R2・R3 |
| 6 | 標的体積・処方概念 | 2問 | 4件 | R3・R7 |
主題数と選択肢登場数を分けると、他テーマの誤答候補として繰り返される知識も見つかります。
繰り返し問われている内容
1.正常組織反応・耐容線量
主題は13問、選択肢では51件。主題となった年度はR2・R3・R4・R5・R6・R7です。
- 主な聞かれ方:臓器ごとの早期反応と晩期反応、線量制約の考え方を対応付ける。
- 復習の軸:臓器名、発現時期、代表的症状、線量制約を1枚の表にする。
- 問題文に直すと:「急性反応と晩期反応について、発現時期、組織回転、可逆性を分ける。症状名だけでなく時間軸と臓器をセットにする。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
2.病期・進展・転移・病理
主題は11問、選択肢では48件。主題となった年度はH29・H30・R2・R3・R4・R5・R6です。
- 主な聞かれ方:進展経路や病期分類から、治療方針につながる情報を選ばせる。
- 復習の軸:原発巣ごとの転移先、リンパ流、病理型の特徴を比較する。
- 問題文に直すと:「病期と進展経路について、TNM、リンパ流、好発転移先、組織型を原発臓器ごとに比較する。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
3.疫学・発がん因子・腫瘍マーカー
主題は8問、選択肢では31件。主題となった年度はH29・H30・R2・R4・R7です。
- 主な聞かれ方:がん統計、感染因子、遺伝子、腫瘍マーカーの関係を整理させる。
- 復習の軸:数値は年代を明記し、因子と関連腫瘍の対応を優先して覚える。
4.疾患別治療適応・標準治療
主題は4問、選択肢では19件。主題となった年度はH29・H30・R7です。
- 主な聞かれ方:疾患や病期に応じた照射の目的、併用療法、適応を判断させる。
- 復習の軸:疾患別に根治、補助、緩和の目的と代表的線量分割を分ける。
- 問題文に直すと:「治療目的と適応について、根治、術前・術後、予防、緩和を治療目標で区別し、疾患・病期・全身状態から判断する。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
5.線量分割・治療目的
主題は2問、選択肢では7件。主題となった年度はR2・R3です。
- 主な聞かれ方:分割法と根治・補助・緩和などの治療目的を組み合わせて判断させる。
- 復習の軸:1回線量、回数、総線量、治療目的を1組として比較する。
6.標的体積・処方概念
主題は2問、選択肢では4件。主題となった年度はR3・R7です。
- 主な聞かれ方:標的体積の定義と、臨床的な広がりや不確かさの扱いを問う。
- 復習の軸:GTV、CTV、ITV、PTVの包含関係とマージンの理由を説明できるようにする。
- 問題文に直すと:「GTV・CTV・ITV・PTVについて、腫瘍の広がり、内部移動、セットアップ誤差を別々に考え、包含関係を説明できるようにする。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
具体的な問題例(過去問の丸写しではないオリジナル)
以下は実際の選択肢が狙う知識を土台に、主語・数値・条件・正誤を入れ替えて新規作成した例題です。過去問の文面は転載していません。
例題1|治療可能比
正常組織の耐容線量が60 Gy、腫瘍制御に必要な線量が45 Gyである。最も適切な説明はどれか。
- A. 治療可能比は0.75である
- B. 治療可能比は約1.33である
- C. 正常組織の方が腫瘍より低線量で障害される
- D. 線量関係だけから放射線抵抗性腫瘍と判断する
正答:B
解説:治療可能比を正常組織耐容線量÷腫瘍制御線量とすると、60÷45≒1.33。1を上回り、線量上の治療域がある。
注意点:分子と分母を逆にして0.75としない。
例題2|前立腺癌T分類
前立腺癌の局所進展に関する組合せで正しいのはどれか。
- A. T1―直腸診で明らかな片葉内病変
- B. T2c―両葉に及ぶが前立腺内に限局
- C. T3a―精嚢浸潤
- D. T4―前立腺被膜内に限局
正答:B
解説:T2cは両葉に及ぶものの前立腺内に限局する。被膜外進展はT3a、精嚢浸潤はT3bに相当する。
注意点:T3aとT3bの対象を入れ替えない。
例題3|腫瘍マーカー
腫瘍マーカーと代表的腫瘍の組合せで誤っているのはどれか。
- A. AFP―肝細胞癌
- B. PSA―前立腺癌
- C. CA125―上皮性卵巣癌
- D. CA19-9―前立腺癌
正答:D
解説:CA19-9は膵・胆道系腫瘍などで用いられる。前立腺癌の代表的マーカーはPSAである。
注意点:マーカー名だけでなく、臓器と使用目的を組にする。
例題4|寡分割照射
高精度な寡分割照射が代表的に用いられる病態はどれか。
- A. 早期非小細胞肺癌
- B. 広範型小細胞肺癌
- C. びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の全身病変
- D. 白血病の局所病変のみ
正答:A
解説:医学的に手術困難な早期非小細胞肺癌などでは、定位放射線治療による寡分割照射が代表的な選択肢となる。
注意点:寡分割の適応を『放射線感受性が高い疾患』だけで決めない。
選択肢で間違えやすいポイント
- 罹患率と死亡率、統計年、男女別順位を入れ替える。
- 急性反応と晩期反応を症状名だけで判断させる。
- 原発巣、好発転移先、リンパ流の組合せをずらす。
- 根治・補助・緩和を線量の大小だけで選ばせる。
初学者向けの解き方
- 最初に疾患名と病期を確認する。
- 根治、補助、緩和のどの目的かを決める。
- 標的と守る臓器を分け、時間軸を付けて有害事象を考える。
- 最後に患者背景と併用療法を加えて選択肢を比べる。
最後に覚えるべき語句
- 根治照射:腫瘍の制御や治癒を主目的とする照射。病期、全身状態、併用療法まで含めて判断する。
- 緩和照射:痛み、出血、圧迫などの症状を軽くする照射。短期間で患者負担を抑える視点が重要。
- 急性反応・晩期反応:治療中から直後に出やすい反応と、数か月から年単位で現れる反応を分ける。
- GTV・CTV・PTV:見える腫瘍、潜在的広がりを含む標的、位置ずれを見込んだ計画標的の順に広がる。
- 急性反応と晩期反応:発現時期、組織回転、可逆性を分ける。症状名だけでなく時間軸と臓器をセットにする。
- 耐容線量・線量制約:TD5/5など歴史的指標と現行のDVH制約を区別し、臓器・照射体積・分割法を添える。
- 病期と進展経路:TNM、リンパ流、好発転移先、組織型を原発臓器ごとに比較する。
- 治療目的と適応:根治、術前・術後、予防、緩和を治療目標で区別し、疾患・病期・全身状態から判断する。
- GTV・CTV・ITV・PTV:腫瘍の広がり、内部移動、セットアップ誤差を別々に考え、包含関係を説明できるようにする。
- 小線源治療:腔内・組織内・表面の違いと、線源位置、距離、停留時間が線量分布へ与える影響を押さえる。
まとめ
放射線腫瘍学は、単語だけでなく、定義・条件・数値・手順を対応させて説明できる状態にすることが重要です。まず「正常組織反応・耐容線量」と「病期・進展・転移・病理」を優先し、年度別一覧と選択肢のひっかけを使って周辺知識を広げてください。
注意:疫学値、病期分類、標準治療、臓器線量制約は更新されます。設問の統計年・分類版と、現在のJASTRO等のガイドラインを分けて確認してください。 外部基準の確認日は2026-09-16です。本記事は問題文・選択肢を転載せず、出題領域を独自に分類・要約しています。頻度は本記事の分類基準によるもので、出題予想ではありません。