放射線治療専門技師試験|分野別過去問分析
【放射線治療専門技師】放射線安全管理の過去問8年分を分析|頻出テーマと覚えるべき語句
法令、被ばく管理、汚染測定、線源管理を扱う分野です。数値暗記だけでなく、対象者・場所・行為の区分が得点の鍵です。
この記事では、H29・H30・R2・R3・R4・R5・R6・R7の40問を横断し、問題文を転載せずに主題と公開選択肢を独自分類しました。年度別の出題、頻出テーマ、具体的な問題例、最後に覚えるべき語句の順で整理します。
集計対象:40問(5問×8年)、公開選択肢163件。
まず分かったこと
- 最多主題は「RI・線源の保管・使用・廃棄」で12問、選択肢では54件登場しました。
- 次いで「法令・届出・報告・許可」が11問です。主題だけでなく選択肢でも繰り返されています。
- 届出・報告・許可の主体と期限を入れ替える形式が多い。
- 法令、線量限度、届出期限は改正され得ます。特に2021年施行の水晶体等価線量限度改正など、出題当時と現行法令を区別してください。
8年分の出題内容

8年間を主題別に並べると、中心は「RI・線源の保管・使用・廃棄」です。同じ分野でも年度によって、定義・数値・計算・測定方法・正誤・組合せへ聞き方が変わります。
年度別5問一覧
| 年度 | 問1 | 問2 | 問3 | 問4 | 問5 |
|---|---|---|---|---|---|
| H29 | 報告の徴収 | 医用直線加速装置使用前 | 公衆被ばくと見なされるの | 実効線量率定数、距離の逆二乗則、時間積算の計算法 | Ir・RALS・線源・GBq |
| H30 | 報告の徴収 | 小線源作業者被ばく、実効線量率定数、時間・距離… | Ir・RALS・線源・GBq | 線源永久挿入治療の退出基準 | Sr・を用いた骨転移疼痛緩和治療 |
| R2 | 電離放射線障害防止規則 | I-125・シード治療 | 最大・MeV・リニアックの放射化物 | 特定放射性同位元素 | 密封線源周囲の線量率、距離の逆二乗則、作業時間… |
| R3 | 特定放射性同位元素となり得る核種 | MeV・リニアックの漏洩線量管理 | 放射線業務従事者の教育訓練 | 放射化物の管理 | 水晶体に受ける等価線量算定 |
| R4 | 密封線源の下限数量、許可・届出区分およびI-1… | 密封RI装備機器、粒子線・高エネルギー発生装置… | RALS・用密封小線源の防護措置 | 医療法と・RI・規制法で共通する基準 | 放射線発生装置 |
| R5 | 許可届出使用者 | 放射化物保管設備 | RI・規制法に定める健康診断として | RI | 使用の場所の制限において・特別の理由 |
| R6 | 許可届出使用者 | RI・規制法に定める教育訓練 | 放射線発生装置の使用記録簿 | 管理区域からの退出基準 | 放射線測定の信頼性確保 |
| R7 | 管理区域境界等の漏洩線量測定 | RI規制法の健康診断 | 密封小線源治療病室 | 密封線源の保管・廃棄 | 医療用リニアックの放射化物 |
各セルは問題文の転載ではなく、その問題で中心になった知識を短く言い換えています。
頻出テーマランキング

| 順位 | テーマ | 主題 | 選択肢 | 出題年度 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | RI・線源の保管・使用・廃棄 | 12問 | 54件 | H29・H30・R2・R3・R4・R5・R7 |
| 2 | 法令・届出・報告・許可 | 11問 | 39件 | H29・H30・R4・R5・R6・R7 |
| 3 | 管理区域・線量限度・遮へい | 7問 | 32件 | H29・H30・R3・R6・R7 |
| 4 | 中性子・放射化・緊急時管理 | 5問 | 12件 | H29・R2・R3・R7 |
| 5 | 健康診断・教育訓練・従事者管理 | 4問 | 23件 | H30・R2・R3・R5 |
| 6 | 汚染測定・測定器・単位 | 1問 | 3件 | R6 |
主題数と選択肢登場数を分けると、他テーマの誤答候補として繰り返される知識も見つかります。
繰り返し問われている内容
1.RI・線源の保管・使用・廃棄
主題は12問、選択肢では54件。主題となった年度はH29・H30・R2・R3・R4・R5・R7です。
- 主な聞かれ方:線源の使用、保管、運搬、廃棄の管理要件を問う。
- 復習の軸:密封と非密封、医療用と研究用の違いを区別する。
- 問題文に直すと:「密封・非密封線源について、使用、受払、所在、保管、運搬、廃棄を記録し、密封でも所在管理を省かない。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
2.法令・届出・報告・許可
主題は11問、選択肢では39件。主題となった年度はH29・H30・R4・R5・R6・R7です。
- 主な聞かれ方:設備や線源に必要な届出、報告、許可、期限を問う。
- 復習の軸:根拠法令、提出先、対象、時期を4列で整理する。
- 問題文に直すと:「許可・届出・報告について、根拠法令、対象、提出先、時期、主体を一組で整理し、試験年度と現行条文を区別する。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
3.管理区域・線量限度・遮へい
主題は7問、選択肢では32件。主題となった年度はH29・H30・R3・R6・R7です。
- 主な聞かれ方:場所や対象者ごとの線量管理基準、遮へい条件を問う。
- 復習の軸:従事者、公衆、妊娠中の区分と、期間の違いを確認する。
- 問題文に直すと:「線量限度と管理区域について、実効線量と等価線量、従事者と公衆、期間の違いを区別し、法令改正日を付ける。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
4.中性子・放射化・緊急時管理
主題は5問、選択肢では12件。主題となった年度はH29・R2・R3・R7です。
- 主な聞かれ方:高エネルギー装置で生じる中性子、放射化、緊急時対応を問う。
- 復習の軸:発生条件、主な放射化物、測定時期、立入管理を整理する。
- 問題文に直すと:「中性子・放射化について、発生条件、装置部材、停止後の残留放射線、測定時期、立入・保管を整理する。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
5.健康診断・教育訓練・従事者管理
主題は4問、選択肢では23件。主題となった年度はH30・R2・R3・R5です。
- 主な聞かれ方:従事者の健康診断、教育、記録の要件を問う。
- 復習の軸:対象者、実施時期、項目、保存期間を分けて覚える。
- 問題文に直すと:「健康診断・教育訓練について、対象者、実施時期、項目、省略条件、記録保存を法令ごとに整理する。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
6.汚染測定・測定器・単位
主題は1問、選択肢では3件。主題となった年度はR6です。
- 主な聞かれ方:表面汚染、空間線量、放射能を適切な測定器と単位に対応させる。
- 復習の軸:測定対象、検出器、換算係数、単位をセットで整理する。
- 問題文に直すと:「汚染・放射能・空間線量について、測定対象、検出器、検出効率、換算、単位Bq・Bq/cm2・Sv/hを対応付ける。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
具体的な問題例(過去問の丸写しではないオリジナル)
以下は実際の選択肢が狙う知識を土台に、主語・数値・条件・正誤を入れ替えて新規作成した例題です。過去問の文面は転載していません。
例題1|密封小線源治療病室
密封小線源治療中の病室管理で正しいのはどれか。
- A. 施錠できれば放射線標識は不要である
- B. 面会者の立入りは時間や距離を考慮せず自由とする
- C. 線源の所在と患者退出条件を確認する
- D. 一般病室と同じ手順だけで看護する
正答:C
解説:線源の所在、立入制限、標識、線量管理、退出時確認を手順化する。看護も時間・距離・遮へいを考慮する。
注意点:施錠、標識、線源管理のいずれか一つだけで十分としない。
例題2|管理状況報告
許可届出使用者の放射線管理状況報告に関する記述で正しいのはどれか。
- A. 提出先は原子力規制委員会である
- B. 管理区域に立ち入らない放射線業務従事者は必ず集計対象外である
- C. 認証機器を含むすべての機器を無条件に同じ扱いで報告する
- D. 使用実績がなければ許可内容の確認も不要である
正答:A
解説:RI規制法に基づく報告は原子力規制委員会へ行う。対象範囲や数量は法令・様式の定義に従って判断する。
注意点:医療法上の届出先とRI規制法上の提出先を入れ替えない。
例題3|漏洩線量測定
治療施設の漏洩線量測定で、装置と主な測定対象放射線の組合せとして正しいのはどれか。
- A. 密封小線源治療装置―ガンマ線
- B. 10 MVを超えるX線リニアック―光子線だけ
- C. 陽子線治療室―二次放射線を考慮しない
- D. 低エネルギー電子線照射室―中性子線だけ
正答:A
解説:密封小線源装置では使用核種からのガンマ線等を対象とする。高エネルギー加速器では光子に加え中性子等も条件に応じて考慮する。
注意点:装置名と発生・使用する放射線種を対応させる。
例題4|リニアック放射化物
高エネルギーX線リニアックの放射化物管理で誤っているのはどれか。
- A. すべてのヘッド構成部品を一律に規制対象とみなす
- B. 放射化した部品の核種や放射能を評価する
- C. 放射化物の保管場所と記録を管理する
- D. 取外し・保管・廃棄の手順を定める
正答:A
解説:ヘッド内のすべてが自動的に規制対象となるわけではない。対象部品、核種、放射能、取扱条件を確認して管理する。
注意点:『装置の一部=すべて同じ規制』と一括しない。
選択肢で間違えやすいポイント
- 医療法、RI規制法、電離則の対象と提出先を入れ替える。
- 実効線量と等価線量、1年と5年の期間を混同する。
- 表面汚染と空間線量率に同じ測定器・単位を当てる。
- 過去問当時の法令値を現行値として無条件に使う。
初学者向けの解き方
- 対象が人、場所、装置、線源のどれかを確認する。
- 測る量を放射能、表面汚染、空間線量に分ける。
- 対応する測定器、単位、測定条件を選ぶ。
- 法令問題は根拠法令、対象、提出先、時期を一組で確認する。
最後に覚えるべき語句
- 放射能・線量・汚染:Bqで表す壊変の量、Gy/Svで扱う線量、物質表面などへの放射性物質付着を区別する。
- 管理区域:放射線防護上の管理が必要な場所。区域区分と人の線量限度は同じ概念ではない。
- 密封・非密封線源:通常使用で放射性物質が外へ出ない構造かどうかで、汚染管理の考え方が変わる。
- 放射化:高エネルギー放射線との反応で装置部材などが放射性になる現象。停止後の管理にも関係する。
- 許可・届出・報告:根拠法令、対象、提出先、時期、主体を一組で整理し、試験年度と現行条文を区別する。
- 線量限度と管理区域:実効線量と等価線量、従事者と公衆、期間の違いを区別し、法令改正日を付ける。
- 健康診断・教育訓練:対象者、実施時期、項目、省略条件、記録保存を法令ごとに整理する。
- 汚染・放射能・空間線量:測定対象、検出器、検出効率、換算、単位Bq・Bq/cm2・Sv/hを対応付ける。
- 中性子・放射化:発生条件、装置部材、停止後の残留放射線、測定時期、立入・保管を整理する。
まとめ
放射線安全管理は、単語だけでなく、定義・条件・数値・手順を対応させて説明できる状態にすることが重要です。まず「RI・線源の保管・使用・廃棄」と「法令・届出・報告・許可」を優先し、年度別一覧と選択肢のひっかけを使って周辺知識を広げてください。
注意:法令、線量限度、届出期限は改正され得ます。特に2021年施行の水晶体等価線量限度改正など、出題当時と現行法令を区別してください。 外部基準の確認日は2026-09-16です。本記事は問題文・選択肢を転載せず、出題領域を独自に分類・要約しています。頻度は本記事の分類基準によるもので、出題予想ではありません。