放射線治療専門技師試験|分野別過去問分析
【放射線治療専門技師】放射線治療技術学の過去問8年分を分析|頻出テーマと覚えるべき語句
標的設定から照射実施までのワークフローを扱う分野です。用語の定義だけでなく、方法を選ぶ理由が繰り返し問われます。
この記事では、H29・H30・R2・R3・R4・R5・R6・R7の40問を横断し、問題文を転載せずに主題と公開選択肢を独自分類しました。年度別の出題、頻出テーマ、具体的な問題例、最後に覚えるべき語句の順で整理します。
集計対象:40問(5問×8年)、公開選択肢165件。
まず分かったこと
- 最多主題は「標的体積・線量評価」で9問、選択肢では41件登場しました。
- 次いで「小線源治療技術」が9問です。主題だけでなく選択肢でも繰り返されています。
- 体積定義、線量評価、照射法を一連の工程として問う。
- ICRUの体積概念は基礎ですが、IGRT、植込みデバイス、高精度照射の運用はガイドライン改訂を確認します。
8年分の出題内容

8年間を主題別に並べると、中心は「標的体積・線量評価」です。同じ分野でも年度によって、定義・数値・計算・測定方法・正誤・組合せへ聞き方が変わります。
年度別5問一覧
| 年度 | 問1 | 問2 | 問3 | 問4 | 問5 |
|---|---|---|---|---|---|
| H29 | 正常組織反応、分割線量、脊髄耐容性、頭頸部・下… | 高精度照射、IGRT、動体管理の座標・時間特性 | SIB、4D-CT、陽子線のワブラー法・スキャ… | 呼吸性移動対策 | FFFビームの平坦化フィルタ除去と線量率・散乱… |
| H30 | 乳房接線照射、線量均一化、追加照射、SIBの意味 | 呼吸性移動、4D-CT、Internal Ma… | 画像誘導放射線治療 | CIED装着患者のリスク評価、線量管理、画像誘… | Inter-/intra-fractional… |
| R2 | 照射方法の組合せ | 呼吸信号、腹壁運動、息止め再現性、体内マーカー… | 強度変調回転放射線治療 | 全身照射 | 下記の記述 |
| R3 | 多門照射・治療寝台・治療計画CT | 放射線による急性皮膚反応が増強しないの | 線量分布の評価指標 | IGRT | Brachytherapy |
| R4 | 内用療法で用いる核種と小線源治療の適応 | ICRU・基準点 | 腫瘍別の放射線治療成績、子宮頸癌の外部照射・腔… | 密封小線源治療 | ペースメーカ装着者 |
| R5 | 各種体積 | 密封小線源治療 | 加速過分割照射法 | 非密封内用療法と密封小線源の核種・適応 | 疾患別の代表的外部照射法 |
| R6 | VMAT | IGRT | 密封小線源治療 | IGRT | 系統誤差の要因として |
| R7 | D95・V20・HI・CI、D2の近最大線量 | 部位別の外部照射法 | 寡分割とα/β | AAPM TG-43線量計算 | 植込み型心臓デバイスのリスク分類 |
各セルは問題文の転載ではなく、その問題で中心になった知識を短く言い換えています。
頻出テーマランキング

| 順位 | テーマ | 主題 | 選択肢 | 出題年度 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 標的体積・線量評価 | 9問 | 41件 | H29・H30・R2・R3・R5・R7 |
| 2 | 小線源治療技術 | 9問 | 39件 | H30・R3・R4・R5・R6・R7 |
| 3 | IGRT・位置照合・動体管理 | 9問 | 35件 | H29・H30・R2・R3・R6 |
| 4 | 外部照射法・高精度照射 | 9問 | 33件 | H29・R2・R4・R5・R6・R7 |
| 5 | 固定・シミュレーション・計画CT | 2問 | 9件 | R3 |
| 6 | 特殊患者・医療デバイス | 2問 | 8件 | R4・R7 |
主題数と選択肢登場数を分けると、他テーマの誤答候補として繰り返される知識も見つかります。
繰り返し問われている内容
1.標的体積・線量評価
主題は9問、選択肢では41件。主題となった年度はH29・H30・R2・R3・R5・R7です。
- 主な聞かれ方:体積定義と線量分布指標を、治療目的に結び付ける。
- 復習の軸:体積の包含関係、マージン、DVH指標の意味を図で整理する。
- 問題文に直すと:「標的体積と線量指標について、GTVからPTVまでの体積と、D95・V20・D2などの線量体積指標を別々に定義する。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
2.小線源治療技術
主題は9問、選択肢では39件。主題となった年度はH30・R3・R4・R5・R6・R7です。
- 主な聞かれ方:線源配置、線量計算、治療手順の基本を問う。
- 復習の軸:TG-43の前提とパラメータ、臨床手順を別々に学ぶ。
- 問題文に直すと:「小線源治療技術について、線源、アプリケータ、再構成、停留位置・時間、線源強度確認を一連の工程で覚える。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
3.IGRT・位置照合・動体管理
主題は9問、選択肢では35件。主題となった年度はH29・H30・R2・R3・R6です。
- 主な聞かれ方:画像誘導の目的と、呼吸性移動やセットアップ誤差への対応を問う。
- 復習の軸:画像取得、照合、補正、記録の順序と、それぞれの誤差を整理する。
- 問題文に直すと:「IGRTについて、画像取得、照合、許容判定、補正、再確認、記録の順序と座標一致を押さえる。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
4.外部照射法・高精度照射
主題は9問、選択肢では33件。主題となった年度はH29・R2・R4・R5・R6・R7です。
- 主な聞かれ方:照射法ごとの利点、制約、適応の違いを判定させる。
- 復習の軸:適応、線量勾配、照射時間、位置精度の4軸で比較する。
- 問題文に直すと:「IMRT・VMAT・定位照射について、適応、線量勾配、可変パラメータ、位置精度、患者別検証の違いを比較する。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
5.固定・シミュレーション・計画CT
主題は2問、選択肢では9件。主題となった年度はR3です。
- 主な聞かれ方:再現性を高める固定、体位、計画CTの条件を選ばせる。
- 復習の軸:部位別の固定法と、誤差が標的マージンへ及ぼす影響を確認する。
- 問題文に直すと:「固定・計画CTについて、固定具、体位、撮影範囲、スライス厚、ボーラス、天板補正を再現性の観点で整理する。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
6.特殊患者・医療デバイス
主題は2問、選択肢では8件。主題となった年度はR4・R7です。
- 主な聞かれ方:植込み機器や特殊患者でのリスク分類と手順を問う。
- 復習の軸:事前評価、線量管理、観察、緊急時対応の順で手順化する。
- 問題文に直すと:「植込みデバイス等について、事前評価、推定線量、線質、観察、緊急時対応を施設手順として準備する。。この考え方と一致する説明はどれか」という形に言い換えられます。
具体的な問題例(過去問の丸写しではないオリジナル)
以下は実際の選択肢が狙う知識を土台に、主語・数値・条件・正誤を入れ替えて新規作成した例題です。過去問の文面は転載していません。
例題1|標的体積
標的体積に関する記述で正しいのはどれか。
- A. GTVは画像で確認できる原発巣だけを指し、転移リンパ節を含まない
- B. CTVはセットアップ誤差だけを加えた体積である
- C. ITVは呼吸などによる内部移動を考慮する
- D. PTVとOARは定義上重なることがない
正答:C
解説:ITVは内部移動を考慮する概念。CTVは潜在的浸潤、PTVは幾何学的不確かさを扱い、PTVとOARは重なり得る。
注意点:腫瘍進展のマージンと位置不確かさのマージンを分ける。
例題2|TG-43
AAPM TG-43形式の水中線量率計算式に直接含まれないものはどれか。
- A. 線量率定数
- B. 幾何学関数
- C. 放射状線量関数
- D. 電離箱の空気カーマ校正定数
正答:D
解説:TG-43では空気カーマ強度、線量率定数、幾何学関数、放射状線量関数、非等方性関数などを用いる。測定器の校正定数そのものは計算式の項ではない。
注意点:線源強度の量と、それを校正する測定器の係数を混同しない。
例題3|IGRT
IGRTに関する記述で正しいのはどれか。
- A. オンライン補正は当日の照射終了後に次回分だけを修正する
- B. 位置照合には体表面、骨構造、軟部組織・腫瘍などを用いる
- C. 撮像線量は必ず処方線量から単純に差し引く
- D. 画像系と照射系の中心一致は導入時だけ確認すればよい
正答:B
解説:IGRTでは照合対象に応じて体表面、骨、軟部組織などを使い分ける。オンライン補正はその照射前に反映する。
注意点:オンラインとオフラインの補正時点を逆にしない。
例題4|寡分割
通常分割照射と比較した寡分割照射の特徴で正しいのはどれか。
- A. 1回線量を小さくする
- B. 分割回数を少なくする
- C. 総治療期間は必ず長くなる
- D. α/βが大きい組織ほど分割線量の影響が大きい
正答:B
解説:寡分割は一般に1回線量を増やし、分割回数を減らす。分割線量の影響はα/βが小さいほど大きい。
注意点:『寡分割=総線量が必ず大きい』とは限らない。
選択肢で間違えやすいポイント
- CTVの生物学的広がりとPTVの幾何学的不確かさを混同する。
- IGRTを画像取得だけの工程として扱う。
- 固定精度の向上とマージンゼロを同義にする。
- 外部照射、小線源、内用療法の線源位置を入れ替える。
初学者向けの解き方
- 標的とリスク臓器を決める。
- 動きとセットアップ誤差を見積もる。
- 照射法、固定法、画像誘導法を選ぶ。
- 照射前確認、補正、照射、記録の順で安全を確認する。
最後に覚えるべき語句
- IGRT:照射時の画像で位置を確認し、必要に応じて補正する一連の工程。
- ITV:呼吸などによる内部移動を見込んだ体積。CTVとPTVの間で考える。
- IMRT・VMAT:ビーム強度を変化させて線量分布を整える方法。複雑さに応じた検証が必要。
- 固定とマージン:再現性を高める固定と、残る不確かさを吸収するマージンは役割が異なる。
- 標的体積と線量指標:GTVからPTVまでの体積と、D95・V20・D2などの線量体積指標を別々に定義する。
- IMRT・VMAT・定位照射:適応、線量勾配、可変パラメータ、位置精度、患者別検証の違いを比較する。
- 小線源治療技術:線源、アプリケータ、再構成、停留位置・時間、線源強度確認を一連の工程で覚える。
- 固定・計画CT:固定具、体位、撮影範囲、スライス厚、ボーラス、天板補正を再現性の観点で整理する。
- 植込みデバイス等:事前評価、推定線量、線質、観察、緊急時対応を施設手順として準備する。
まとめ
放射線治療技術学は、単語だけでなく、定義・条件・数値・手順を対応させて説明できる状態にすることが重要です。まず「標的体積・線量評価」と「小線源治療技術」を優先し、年度別一覧と選択肢のひっかけを使って周辺知識を広げてください。
注意:ICRUの体積概念は基礎ですが、IGRT、植込みデバイス、高精度照射の運用はガイドライン改訂を確認します。 外部基準の確認日は2026-09-16です。本記事は問題文・選択肢を転載せず、出題領域を独自に分類・要約しています。頻度は本記事の分類基準によるもので、出題予想ではありません。