RADIOLOGY GLOSSARY
組織加重係数(Tissue Weighting Factor)
IN ONE LINE
一言でいうと
各臓器・組織が全身リスクへどれくらい寄与するかを表す係数です。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
放射線防護で全身への影響を考えるために、臓器ごとの感受性を重みづけする係数です。
身近なイメージ
成績で科目ごとに配点が違うように、臓器ごとに重みがあります。
そもそも組織加重係数とは?
組織加重係数は、全身が均等に被ばくしたときの確率的影響全体に対して、各組織がどれだけ寄与するかを相対的に表す係数です。実効線量の計算に用います。
値が大きい組織は集団平均として放射線誘発がん・遺伝性影響への寄与が大きいことを示します。個人の臓器感受性や確定的影響のしきい線量を示す係数ではありません。
定義・しくみ
組織Tの等価線量HTを実効線量へ換算するときに用いる無次元係数wTです。実効線量はE=ΣwTHTで表され、全組織のwT合計は1です。値は疫学・生物学的知見に基づく標準人の集団平均で、ICRP勧告の改訂により変更されることがあります。
具体例で確認
同じ10 mSvの等価線量を、wT=0.12の組織とwT=0.04の組織が受けた場合を比べます。
実効線量寄与 = 1.2 mSv と 0.4 mSv
等価線量が同じでも実効線量への寄与は異なります。wTを吸収線量へ直接掛ける前に、放射線加重を含むHTを確認します。
専門的にもう一歩
組織加重係数は実効線量を計算するための係数です。放射線加重係数と名前が似ていますが、前者は組織、後者は放射線の種類に関する係数です。
臨床・測定での確認点
- wTは無次元で、組織ごとの合計は1になります。
- 性腺、乳房、甲状腺などの係数は勧告年によって異なるため、出題基準の勧告を確認します。
- 組織加重係数は確率的影響の相対寄与であり、組織反応の耐容線量順位ではありません。
- 個別患者の年齢・性別を直接反映した係数ではありません。
覚えるポイント
- 実効線量
- 臓器ごとの重み
- 放射線加重係数との違い
間違えやすい点
- 放射線加重係数と混同しない
- 吸収線量に直接掛けて終わりにしない
- 個人リスクの厳密値と考えない