RADIOLOGY GLOSSARY
TLD(Thermoluminescent Dosimeter)
IN ONE LINE
一言でいうと
放射線を受けた素子を加熱したときに出る光を測って線量を評価する線量計です。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
放射線の情報をいったん材料にためておき、あとで温めて光として読み出します。
身近なイメージ
日中に太陽の光をためて夜に光る蓄光材のように、受けた放射線の情報を後で読みます。
そもそもTLDとは?
TLDは、放射線で結晶内の捕獲準位へ蓄えられた電子を加熱で解放し、そのときの発光量から積算線量を求める受動形線量計です。小型で組織等価性に優れる材料があり、個人・患者・環境線量測定に使われます。
読取り時の加熱で情報が消費されるため、同じ素子を同じ状態のまま再読取することは基本的にできません。再使用にはアニーリングで履歴を消去し、感度を整えます。
定義・しくみ
放射線照射によって価電子帯の電子が伝導帯へ励起され、結晶欠陥のtrapへ捕獲される現象を利用します。加熱により電子が解放され、発光中心で再結合すると熱蛍光を生じます。glow curveの発光積分量が一定範囲で吸収線量に対応します。
具体例で確認
同一ロットのTLDを既知線量で校正し、未知試料の発光積分値が校正時の半分だったとします。
線形範囲で素子感度と背景を補正できれば、未知線量は既知線量の約半分と推定します。発光量を補正なしに異なる素子間で直接比較しません。
専門的にもう一歩
熱蛍光線量計は個人被ばく管理や患者線量評価に使われます。再使用可能ですが、読み取りで信号が消えるため読み出し管理が重要です。
臨床・測定での確認点
- 照射後時間によるfading、素子感度差、加熱条件、再使用履歴を管理します。
- LiFは実効原子番号が組織に近く、個人線量測定などに用いられます。
- 読取りが破壊的である点は、光刺激で繰返し読めるOSLとの違いです。
- エネルギー依存性と方向依存性を校正条件に応じて補正します。
覚えるポイント
- 個人線量計として使われる
- 加熱して発光を読む
- 読み取り後に信号が消える
間違えやすい点
- リアルタイム表示の線量計と混同しない
- OSL線量計との読み出し方法の違い
- フェーディングに注意する