RADIOLOGY GLOSSARY
制動放射(Bremsstrahlung)
IN ONE LINE
一言でいうと
高速電子が原子核近くで減速・方向変化するときに発生する連続X線です。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
速い電子が急に曲げられたとき、余ったエネルギーがX線として出ます。
身近なイメージ
車が急ブレーキをかけるとエネルギーが熱や音になるイメージです。
そもそも制動放射とは?
制動放射は、高速荷電粒子が原子核の電場で進路を曲げられ減速するとき、失った運動エネルギーを光子として放出する現象です。X線管や医療用リニアックのX線生成の中心です。
一回の相互作用で失うエネルギーがさまざまなため、0付近から電子の最大運動エネルギーまで連続したX線スペクトルを作ります。特性X線のような離散ピークとは異なります。
定義・しくみ
加速された電子が原子核のCoulomb場で加速度運動し、運動エネルギーの一部または全部を電磁波として放出する過程です。原子核へ近く接近するほど大きなエネルギーを失い、高エネルギー光子を生じます。発生効率は電子エネルギーと標的原子番号が高いほど増加します。
具体例で確認
100 kVで加速した電子が標的で全運動エネルギーを一度に失う理想的な場合を考えます。
最大光子エネルギー = 100 keV
最大値は100 keVですが、実際にはさまざまな損失過程により低いエネルギーを含む連続スペクトルになります。平均エネルギーが100 keVという意味ではありません。
専門的にもう一歩
X線管で発生する連続スペクトルの主成分です。管電圧で最大エネルギーが決まり、ターゲット原子番号や管電圧で発生効率が変化します。
臨床・測定での確認点
- 診断X線管では電子エネルギーの大部分が熱となり、X線変換効率は低いです。
- 高原子番号のタングステンは制動放射効率と耐熱性の点で標的に適します。
- 付加ろ過は低エネルギー光子を除き、連続スペクトルを硬化させます。
- 電子線治療でも装置・患者内の制動放射がX線混入として深部へ残ります。
覚えるポイント
- 連続スペクトル
- 管電圧と最大エネルギー
- 特性X線との違い
間違えやすい点
- 離散的エネルギーだけを持つと考えない
- 特性X線と発生機序を混同しない
- 電子線制動によるX線発生を忘れない