RADIOLOGY GLOSSARY
特性X線(Characteristic X-ray)
IN ONE LINE
一言でいうと
内殻電子の空席を外側の電子が埋めるとき、エネルギー差として発生する固有エネルギーのX線です。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
原子の中で電子が席替えしたときに、決まったエネルギーのX線が出ます。
身近なイメージ
階段の高い段から低い段へ降りた分だけ、決まった量のエネルギーを出すイメージです。
そもそも特性X線とは?
特性X線は、原子の内殻電子が除かれてできた空孔へ外殻電子が遷移するとき、二つの殻の結合エネルギー差として放出されるX線です。元素ごとに固有の離散エネルギーを持ちます。
X線管スペクトルでは連続的な制動X線の上にKα、Kβなどのピークとして現れます。入射電子エネルギーが対象殻の結合エネルギーを超えなければ、その系列は発生しません。
定義・しくみ
内殻空孔を外側の電子が埋める遷移で、初期殻と最終殻の結合エネルギー差ΔEを光子として放出する現象です。L殻からK殻への遷移はKα、M殻からK殻はKβ線となります。エネルギーがAuger電子へ渡る競合過程もあります。
具体例で確認
K殻結合エネルギー70 keV、L殻12 keVの原子でL→K遷移が起こるとします。
特性X線エネルギー = 70 - 12 = 58 keV
58 keVのKα線が生じます。入射電子の全エネルギーではなく、殻間の結合エネルギー差で決まります。
専門的にもう一歩
特性X線のエネルギーはターゲット物質の原子構造で決まります。Kα、Kβなどがあり、制動放射の連続スペクトル上に線スペクトルとして現れます。
臨床・測定での確認点
- 標的元素が変わると特性X線エネルギーも変わります。
- 乳房撮影では標的・フィルタの特性X線と吸収端を利用して線質を整えます。
- 診断用タングステン標的でK系列を出すにはK殻結合エネルギーを超える管電圧が必要です。
- 制動X線は連続スペクトル、特性X線は離散ピークとして区別します。
覚えるポイント
- 線スペクトル
- ターゲット物質固有
- Kα・Kβ
間違えやすい点
- 連続X線と混同しない
- 管電圧だけで連続的に決まると考えない
- 内殻電子空孔の考え方を忘れない