RADIOLOGY GLOSSARY
イオン再結合補正(Ion Recombination Correction)
IN ONE LINE
一言でいうと
生じた正負イオンが電極に集められる前に再結合し、読み値が小さくなる影響を補正することです。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
せっかく生じた電荷の一部が集められる前に打ち消し合うので、その分を補います。
身近なイメージ
集金する前に一部が相殺されると本来より少なく見える、というイメージです。
そもそもイオン再結合補正とは?
電離箱内で作られた正負イオンの一部は、電極へ到達する前に再び結合して中性へ戻ります。その分だけ収集電荷が減るため、生の読み値は本来生じた電離量より小さくなります。
イオン再結合補正は、この収集損失を補って完全収集に近い読み値へ戻す処理です。連続線かパルス線か、パルス当たり線量、印加電圧、電極間隔などで再結合の程度が変わります。
定義・しくみ
電離によって生じたイオン対のうち、電極へ収集される前に再結合した割合を補正する係数です。初期再結合は同じ飛跡内のイオン同士、一般再結合は異なる飛跡由来のイオン同士で生じます。補正係数ksは通常1以上で、測定読み値へ掛けて飽和電荷に相当する値を推定します。
具体例で確認
あるパルス放射線を2種類の印加電圧で測定し、高電圧側の読み値が低電圧側より相対的に大きかったとします。
低電圧ではイオン収集が遅く再結合損失が増えます。二電圧法では読み値比と電圧比を用いてksを求めますが、使用する式・表は連続線とパルス線で区別します。
専門的にもう一歩
再結合は線量率、パルス構造、印加電圧、電極間距離に影響されます。特にパルス放射線や高線量率では収集効率が重要になります。
臨床・測定での確認点
- FFFビームなどパルス当たり線量が高い条件では、平均線量率だけで再結合の大きさを判断できません。
- 印加電圧を上げれば収集効率は改善しますが、推奨電圧を超える使用や絶縁不良に注意します。
- 二電圧測定では各電圧へ変更した後、読み値が安定するまで待ち、極性をそろえます。
- 再結合による過小応答と、漏れ電流、極性効果、電位計校正のずれを別々に評価します。
覚えるポイント
- 収集効率
- 線量率やパルス放射線
- 電離箱補正係数
間違えやすい点
- 漏れ電流と混同しない
- 常に無視できると考えない
- 極性効果と同一視しない