RADIOLOGY GLOSSARY
電離箱(電離箱式線量計)
IN ONE LINE
一言でいうと
放射線によって空気などの気体が電離することを利用して線量を測る検出器です。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
放射線が入ると気体中に電荷が生じます。その電荷を集めて、どれくらい放射線が来たかを調べます。
身近なイメージ
雨量計が雨を集めて雨の量を測るように、電離箱は放射線で生じた電荷を集めて線量を測ります。
そもそも電離箱とは?
電離箱は、放射線によって空洞内の気体に生じた正負のイオン対を電極で集め、その電荷量から放射線量を求める検出器です。エネルギー応答が比較的安定し、再現性にも優れるため、放射線治療装置の基準線量測定で中心的に用いられます。
得られた電荷はそのまま水の吸収線量ではありません。温度気圧、イオン再結合、極性などを補正した読み値へ、水吸収線量校正定数と線質変換係数を適用し、基準条件における水吸収線量へ換算します。
定義・しくみ
気体を満たした空洞と一対の電極からなり、印加電圧によって放射線が作ったイオンを飽和領域で収集する検出器です。空洞理論を介して気体中の電離電荷を周囲媒質の吸収線量へ関連付けます。円筒形は高エネルギー光子線の基準測定など、平行平板形は電子線や表面近傍などに適し、用途に応じて空洞形状と壁材を選びます。
CORE FORMULA
基本公式
M = Mraw × kTP × kpol × ks × keleak
FORMULA NOTES
公式の補足
線量評価では読み値Mに校正定数と補正係数を掛ける流れで整理する
具体例で確認
水ファントム中の基準深へ校正済み電離箱を設置し、照射後に電位計で電荷Mrawを読み取ります。
M = Mraw × kTP × kpol × ks × keleak
補正後読み値Mへ校正定数と線質変換係数を掛けて水吸収線量を求めます。補正の名称だけでなく、どの物理的影響を元へ戻しているかを対応させます。
専門的にもう一歩
電離箱は基準線量測定の中心的な検出器です。読み値に校正定数、温度気圧補正、イオン再結合補正、極性効果補正などを適用して、標準条件での水吸収線量へ結びつけます。円筒形、平行平板形、指頭形などの形状と使用場を区別します。
臨床・測定での確認点
- 開放型電離箱は空洞内の空気密度が室温・気圧で変わるため、温度気圧補正が必要です。
- パルス当たり線量が高いビームではイオン再結合が増え、収集電荷が過小になることがあります。
- 漏れ電流、ステム効果、ケーブル照射、湿度、安定化時間も測定の不確かさへ影響します。
- 小照射野では空間分解能や体積平均、線量計材料による場の乱れが問題となり、通常の基準電離箱が適さない場合があります。
覚えるポイント
- 吸収線量測定で用いる
- 円筒形と平行平板形の使い分け
- 補正係数とセットで問われる
間違えやすい点
- 検出器の形状を無視しない
- 読み値をそのまま線量としない
- 温度気圧補正などを忘れない