RADIOLOGY GLOSSARY
再構成関数(Reconstruction Kernel)
IN ONE LINE
一言でいうと
CT画像を再構成するときに、画像のシャープさやノイズ特性を調整する関数です。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
同じ撮影データから、骨をくっきり見せる画像や軟部を滑らかに見せる画像を作り分ける設定です。
身近なイメージ
写真アプリのシャープ加工やなめらか加工に近い役割です。
そもそも再構成関数とは?
再構成関数は、CT投影データから画像を作る際に、空間周波数ごとの強調・抑制を決めるフィルタ特性です。骨・肺野向けの高周波強調関数は輪郭を鋭くし、軟部向けの平滑関数はノイズを抑えます。
解像度とノイズのトレードオフを調整するため、同じ生データから異なる再構成関数の画像を作れます。WW/WLが表示だけを変えるのに対し、再構成関数は画像データのMTFとNPSを実際に変えます。
定義・しくみ
フィルタ補正逆投影などで、投影データへ畳み込む周波数応答または空間領域カーネルです。高周波成分を強調するほどエッジと空間分解能は向上しますが、高周波ノイズも増えます。平滑化するほどノイズは減少しますが、微細構造のコントラスト伝達は低下します。
具体例で確認
肺野の微細構造と肝実質の低コントラスト病変を、同じ撮影生データから観察するとします。
肺野には高周波強調、肝実質には平滑寄りの関数が適します。一つの関数がすべての診断目的で最良とは限らず、対象構造に合わせます。
専門的にもう一歩
高周波強調関数は空間分解能を高めますがノイズが増えます。低周波寄りの関数はノイズを抑え、低コントラスト観察に向きます。
臨床・測定での確認点
- 高周波強調関数はMTFを高めますが、画像ノイズとNPS高周波成分も増やします。
- 異なる装置メーカーの関数名は直接対応しないため、名称だけで比較しません。
- CT値平均は近くても、標準偏差や輪郭形状は関数によって変わります。
- 逐次近似再構成では非線形処理により、線量・コントラスト・対象サイズでも分解能が変わり得ます。
覚えるポイント
- 骨条件と軟部条件の違い
- 空間分解能とノイズのトレードオフ
- 同一生データから再構成可能
間違えやすい点
- 撮影線量そのものを変える設定と混同しない
- シャープにすれば常に診断能が上がると考えない
- 観察対象で使い分ける