RADIOLOGY GLOSSARY
温度気圧補正(Temperature-Pressure Correction)
IN ONE LINE
一言でいうと
電離箱内の空気密度が温度や気圧で変化する影響を補正することです。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
空気が膨らんだり薄くなったりすると集まる電荷が変わるので、基準条件に直します。
身近なイメージ
風船の大きさが温度で変わるように、空気の状態が測定値に影響します。
そもそも温度気圧補正とは?
開放型電離箱では、空洞内の空気が周囲と通じているため、同じ体積に含まれる空気の質量が温度と気圧によって変化します。空気が薄くなれば生じるイオン対が減り、同じ線量でも読み値は小さくなります。
温度気圧補正は、測定時の空気密度による読み値の変化を校正時の基準状態へ換算する補正です。温度は摂氏の数値をそのまま比に使わず、273.15を加えた絶対温度で扱います。
定義・しくみ
理想気体近似に基づき、測定時の温度Tと気圧Pにおける開放型電離箱の読み値を、基準温度T0・基準気圧P0の空気密度に換算する係数です。一般形はkTP=((273.15+T)/(273.15+T0))×(P0/P)で表され、補正後読み値は生の読み値へkTPを掛けて求めます。
CORE FORMULA
基本公式
kTP = () × )
FORMULA NOTES
公式の補足
温度はKで扱う
空気密度の変化を戻す補正として理解する
具体例で確認
基準温度22 ℃、基準気圧101.3 kPaに対し、測定時が25 ℃、100.0 kPaだったとします。
kTP = ) × ) ≈ 1.023
測定時は基準時より空気密度が低いため、読み値へ1より大きい係数を掛けます。式の分子・分母を暗記するより、密度が低いと電荷が少なく読まれる関係から向きを判断します。
専門的にもう一歩
開放型電離箱では気体質量が温度・気圧に依存するため、基準温度・基準気圧へ換算します。温度は絶対温度で扱う点が計算問題で狙われます。
臨床・測定での確認点
- 温度計は水ファントムと室内のどこを測っているかを確認し、十分に平衡した値を用います。
- 気圧計の表示が現地気圧か海面更正気圧かを確認し、海面更正値をそのまま使用しません。
- 密封型検出器では開放型電離箱と同じ温度気圧補正を機械的に適用しません。
- 単位は気圧の分子・分母でそろえ、hPa、kPa、mmHgを混在させないようにします。
覚えるポイント
- 開放型電離箱
- 空気密度
- 絶対温度
間違えやすい点
- 摂氏のまま比を取らない
- 密封型と開放型を混同しない
- 気圧が下がると空気密度も下がる点を忘れない