RADIOLOGY GLOSSARY
TPR20,10(組織ファントム比20,10)
IN ONE LINE
一言でいうと
同じ照射条件で、深さ20 cmと10 cmの組織ファントム比を比べる線質指標です。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
深いところまでどれくらい届きやすいX線かを見る目安です。
身近なイメージ
水中を進む光が、浅い場所と深い場所でどれくらい残るかを比べるイメージです。
VISUAL GUIDE
図・グラフで確認
そもそもTPR20,10とは?
TPR20,10は、高エネルギーX線の透過性、すなわちビーム品質を表す線質指標です。水中10 cm深の線量に対する20 cm深の線量の比をとり、深部まで残る割合から線質の硬さを評価します。
PDDと異なり、分子と分母で線源から測定点までの距離を一定にして測定します。このため距離の逆二乗効果や電子混入の影響を受けにくく、標準計測法で線質変換係数を決める指標として用いられます。
定義・しくみ
基準となる照射野条件で、線源―測定点間距離を一定に保ったまま、水深20 cmにおける吸収線量D20を水深10 cmにおける吸収線量D10で除した無次元量です。TPR20,10=D20/D10で表し、値が大きいほど深部まで減弱しにくい、より硬い高エネルギーX線であることを示します。
CORE FORMULA
基本公式
TPR20,10 =
具体例で確認
同一の線源―測定点間距離と照射野条件で、10 cm深の線量が100、20 cm深の線量が67だったとします。
TPR20,10 = = 0.67
線質指標は0.67です。20 cmと10 cmの順序を逆にすると1を超えてしまうため、添字と分子・分母を対応させます。
専門的にもう一歩
TPR20,10は高エネルギーX線の線質評価に使われ、PDDよりSSDや表面条件の影響を受けにくい指標として扱われます。線質変換係数や標準計測法と結びつきます。
臨床・測定での確認点
- 10 cm深と20 cm深で検出器位置を一定にし、上流側の水厚を変えて測定します。
- 照射野をどの面で定義するか、基準距離、検出器の設置点は標準計測法の条件へそろえます。
- 値が高いほど一般に透過性が高いですが、公称エネルギーだけから値を一意に決めません。
- TPR20,10は線量そのものではなく、線質変換係数kQを選ぶための無次元の比です。
覚えるポイント
- 高エネルギーX線の線質指標
- PDDとの違い
- 深さ20 cmと10 cm
間違えやすい点
- PDDと同じ測定条件と考えない
- 線量そのものではなく比である点を忘れない
- 深さの順序を逆にしない