RADIOLOGY GLOSSARY

超音波の減衰(Ultrasonic Attenuation)

IN ONE LINE

一言でいうと

超音波が媒質を伝搬するにつれて吸収や散乱などにより振幅・強度が小さくなる現象で、周波数と伝搬距離に依存します。

BEGINNER GUIDE

はじめて学ぶ方へ

超音波は体の中を進むほど弱くなります。高い周波数は細部を見やすくする一方、一般に深いところまで届きにくくなります。

身近なイメージ

同じ深さの観察でも、高周波プローブで深部の信号が弱くなる場合があります。周波数は必要な分解能と到達深度の両方から選びます。

そもそも超音波の減衰とは?

吸収による熱への変換と、ビーム外への散乱などが関係します。

軟部組織では周波数にほぼ比例する近似を使うことがあります。

定義・しくみ

伝搬中の波のエネルギーが失われ、観測する振幅または強度が低下することです。線形な周波数近似で係数aをdB/(cm·MHz)とすると、片道の損失L=a f dです。反射体からのエコーでは往復距離の損失を考慮します。

CORE FORMULA

基本公式

L(dB)≈a f d(線形周波数依存を仮定)

FORMULA NOTES

公式の補足

エコーでは往復距離を用います。

、さらにfを掛けません。

具体例で確認

教材用にa=0.5 dB/(cm·MHz)、f=5 MHz、深さd=4 cmとします。

片道L=0.5×5×4=10 dB;同じ経路の往復L=20 dB

伝搬減衰だけで往復20 dBです。反射率、ビームの広がり、装置処理などはこの計算に含めません。

専門的にもう一歩

振幅比のdBは20log10(A1/A2)、強度比のdBは10log10(I1/I2)で表し、同じ媒質で強度が振幅の二乗に比例する条件では対応します。減衰係数の周波数依存性は組織によって異なるため、0.5 dB/(cm·MHz)をすべての組織の定数として使いません。強い反射や局所的な高減衰は音響陰影にもつながります。

臨床・測定での確認点

  • 周波数、距離、係数の単位を確認します。
  • 深部信号はTGCだけでは復元できません。
  • 組織ごとの減衰差と後方所見を評価します。

覚えるポイント

  • 吸収と散乱
  • 周波数・距離の影響
  • エコーの往復損失

間違えやすい点

  • 片道と往復を混同しない
  • 係数0.5を全組織へ固定しない
  • 振幅比と強度比の対数係数を混ぜない

一緒に確認したい用語

TGC音響陰影後方エコー増強軸方向分解能