1.それぞれの校正深を求める
公式
dref=0.6R50−0.1 この式では、dref と R50 の単位を、どちらも g/cm2 とします。
数値の代入
相互校正する線質では、
dref,cross=0.6×8.00−0.1=4.700 g/cm2 測定対象の線質では、
dref,Q=0.6×2.50−0.1=1.400 g/cm2 結果
dref,cross=4.700 g/cm2 dref,Q=1.400 g/cm2 意味の説明
電子線では、線質によって校正深が変わります。相互校正した深さを、そのまま別の線質の測定に使うわけではありません。
2.基準の電離箱Aで水吸収線量を求める
公式
Dw,Qcross=MQcrossA×ND,w,Q0A×kQcross,Q0A 数値の代入
Dw,Qcross=20.00×0.05300×0.9000=0.95400 Gy 結果
Dw,Qcross=0.954 Gy 意味の説明
まず、校正定数がわかっているAを使って、今回の照射で水に与えられた線量を求めます。
Aの校正定数はコバルト60での値なので、電子線で使用するための線質変換係数を掛けています。
3.電離箱Bの校正定数を求める
公式
相互校正した線質では、Bについて次の関係が成り立ちます。
Dw,Qcross=MQcrossB×ND,w,QcrossB 校正定数について整理すると、
ND,w,QcrossB=MQcrossBDw,Qcross 数値の代入
ND,w,QcrossB=2.0000.95400=0.4770 Gy/nC 結果
ND,w,QcrossB=0.4770 Gy/nC 意味の説明
Aによって、水吸収線量は0.954 Gyとわかっています。同じ照射条件で、Bは2.000 nCを示しました。
したがって、この線質では、Bの補正済み読み値1 nCが0.4770 Gyに相当します。
相互校正の中心となる考え方は、「基準の線量計で求めた線量」を「校正したい線量計の読み値」で割ることです。今回はBを校正するので、分母にはBの読み値を入れます。
4-①.相互校正した線質の係数を線形内挿する
求める係数は kQcross,QintB です。
公式
k=k1+(k2−k1)R2−R1R−R1 | 記号 | 意味 |
|---|
| R | 求めたい線質の R50 |
| R1,R2 | R を挟む、表の2つの R50 |
| k1,k2 | R1,R2 に対応する係数 |
数値の代入
相互校正した線質は R50=8.00 なので、表の7.50と9.00の行を使用します。
kQcross,QintB=1.0000+(0.9850−1.0000)9.00−7.508.00−7.50 =1.0000−0.0150×1.500.50=1.0000−0.0150×31 結果
kQcross,QintB=0.9950 意味の説明
8.00は、7.50から9.00までの区間を3分の1だけ進んだ位置です。係数も1.0000から0.9850へ向かう変化量の3分の1だけ減らします。
4-②.測定対象の線質の係数を線形内挿する
求める係数は kQ,QintB です。
公式
k=k1+(k2−k1)R2−R1R−R1 数値の代入
測定対象の線質は R50=2.50 なので、表の2.00と3.00の行を使用します。
kQ,QintB=1.0600+(1.0400−1.0600)3.00−2.002.50−2.00 =1.0600−0.0200×1.000.50=1.0600−0.0200×21 結果
kQ,QintB=1.0500 意味の説明
2.50は、2.00と3.00のちょうど中間です。そのため、係数も1.0600と1.0400の中間になります。
今回は単純平均と同じ結果ですが、4-①のように中間でない場合もあります。毎回平均するのではなく、区間のどの位置にあるかを考えます。
4-③.2つの係数の比から、必要な線質変換係数を求める
公式
kQ,QcrossB=kQcross,QintBkQ,QintB 数値の代入
kQ,QcrossB=0.99501.0500=1.055276… 結果
kQ,QcrossB=1.0553 意味の説明
比をとる向きは、「測定する線質の係数÷相互校正した線質の係数」です。
どちらも共通の Qint を基準としているため、その比によって Qcross から Q への変換係数が得られます。Qint で実際に測定する必要はありません。
5.測定対象の電子線の水吸収線量を求める
公式
Dw,Q=MQB×ND,w,QcrossB×kQ,QcrossB 数値の代入
途中で丸めないよう、線質変換係数は比のまま代入します。
Dw,Q=4.000×0.4770×0.99501.0500=2.013467… Gy 結果
Dw,Q=2.013 Gy 意味の説明
これは、線質 Q の校正深1.400 g/cm²における水吸収線量です。線量最大深での線量ではありません。
この段階でAの線質変換係数0.9000を再び掛けてはいけません。Aで線量を求め、Bに校正定数を与える段階で、すでに使用しています。
この問題の要点
- 校正定数は「線量÷校正したい電離箱の読み値」で求める。
- Qcross 用と Q 用の係数を、それぞれ線形内挿する。
- 「測定する線質の係数÷相互校正した線質の係数」の向きで比をとる。
- 最後は、Bの読み値・Bの校正定数・Bの線質変換係数を掛ける。