RADIOLOGY GLOSSARY
ADC(Apparent Diffusion Coefficient)
IN ONE LINE
一言でいうと
見かけの拡散係数で、水分子の動きやすさを数値化したものです。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
水がどれくらい自由に動けるかを表す数字です。
身近なイメージ
混雑した通路では人が動きにくく、動きやすさの数字が小さくなるイメージです。
そもそもADCとは?
ADCは、DWIの複数b値における信号減衰から、水分子の見かけの拡散しやすさを数値化した指標です。拡散が制限されると信号減衰が小さくなり、計算されるADCは低くなります。
T2の影響を含むDWI高信号を定量的に見分けるため、ADC mapを併用します。単位は一般にmm²/sで、測定値はb値、ノイズ、灌流成分、ROI、装置条件に依存します。
定義・しくみ
生体組織内の拡散が完全な自由拡散ではないことを踏まえ、単指数モデルS(b)=S0 exp(-b×ADC)から求める見かけの拡散係数です。二つのb値ならADC=ln(S0/Sb)/bで計算できます。ADCが小さいほどb値増加に対する信号低下が少なく、拡散制限が強いことを示します。
CORE FORMULA
基本公式
ADC =
具体例で確認
b=0で信号1000、b=1000 s/mm²で信号368だったとします。
ADC = ≈ 0.0010
ADCは約1.0×10^-3 mm²/sです。対数を取らず単純な信号差だけでADCを求めないようにします。
専門的にもう一歩
拡散制限ではADCが低下しやすく、拡散強調画像の高信号が真の拡散低下かどうかを判断する助けになります。
臨床・測定での確認点
- 急性期脳梗塞ではDWI高信号・ADC低下が代表的ですが、時間経過でADCは偽正常化し得ます。
- 低b値には毛細血管灌流の影響が混ざりやすく、b値選択で測定値が変わります。
- ノイズフロアは高b値信号を見かけ上高くし、ADCを過小評価することがあります。
- 異なる装置・時点を比較するときはb値、シーケンス、ROI、歪み補正条件をそろえます。
覚えるポイント
- 拡散強調画像との関係
- 急性期脳梗塞で低下しやすい
- T2 shine-throughの確認
間違えやすい点
- DWI高信号だけで判断しない
- 高値と低値の意味を逆にしない
- b値との関係を見落とさない