RADIOLOGY GLOSSARY
ビームハードニング(Beam Hardening)
IN ONE LINE
一言でいうと
X線が物質を通るうちに低エネルギー成分が減り、平均エネルギーが高くなる現象です。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
柔らかいX線が先に吸収され、残ったX線が硬くなることです。
身近なイメージ
ふるいにかけると小さい粒が落ち、大きい粒が残るイメージです。
VISUAL GUIDE
図・グラフで確認
そもそもビームハードニングとは?
ビームハードニングは、連続エネルギースペクトルを持つX線が物質を通過するとき、低エネルギー光子が優先的に吸収され、透過ビームの平均エネルギーが高くなる現象です。ビームの量は減りますが、残ったビームはより透過性の高い線質になります。
CTでは単純な指数減弱モデルから外れるため、均一物体の中心CT値が周辺より低く見えるカッピングや、骨・金属間の暗い帯やストリークの原因になります。前処理フィルタと再構成補正で影響を低減します。
定義・しくみ
多色X線が物質を通過する過程でスペクトルの低エネルギー成分が相対的に多く除去され、実効エネルギーや半価層が増加する現象です。単一エネルギーで一定の線減弱係数を仮定した投影データ処理と実際の多色線減弱との差が、CTアーチファクトとして現れます。
具体例で確認
均一な水円柱をCT撮影したところ、周辺部より中心部のCT値が低く再構成されたとします。
中心を通るX線ほど長い水厚を通過して強く硬化し、補正が不十分だとカッピングを生じます。中心部の物質密度が本当に低いとは限りません。
専門的にもう一歩
CTではカッピングアーチファクトや金属周囲のアーチファクトに関係します。フィルタや補正処理で影響を低減します。
臨床・測定での確認点
- 付加フィルタで撮影前に低エネルギー成分を除くと、患者へ寄与しにくい被ばくと硬化変化を抑えられます。
- 骨や金属など高減弱物質が複数あると、物体間に帯状・ストリーク状アーチファクトが出やすくなります。
- 管電圧、被写体サイズ、物質組成、補正アルゴリズムによって程度が変わります。
- ビームハードニングを散乱線、部分体積、金属による光子不足だけで説明しないようにします。
覚えるポイント
- 低エネルギー成分の除去
- CTアーチファクト
- 平均エネルギー上昇
間違えやすい点
- 線量が増える現象と誤らない
- 散乱線だけの問題と考えない
- 金属アーチファクトとの関係を忘れない