RADIOLOGY GLOSSARY
線減弱係数(Linear Attenuation Coefficient)
IN ONE LINE
一言でいうと
X線が物質中を進むとき、単位長さあたりにどれくらい減弱するかを表す係数です。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
X線が物質を通るときの通りにくさを表します。
身近なイメージ
霧が濃いほど光が遠くまで届きにくい、というイメージです。
VISUAL GUIDE
図・グラフで確認
そもそも線減弱係数とは?
線減弱係数は、細い単色光子ビームが物質中を単位距離進む間に、相互作用によって一次線から除かれる割合を表す量です。値が大きいほど光子は減弱しやすく、透過しにくい物質です。
診断X線では光電効果とCompton散乱の寄与がエネルギーや物質によって変化するため、線減弱係数も一定ではありません。CTは各位置の線減弱係数分布を再構成し、水に対する相対値をCT値として表示します。
定義・しくみ
厚さdxを通過するときの一次光子強度Iの微小変化をdI=-μI dxで表す比例定数です。均質物質でμが一定ならI=I0 exp(-μx)となり、単位はcm^-1などの逆長さです。密度の影響を除いて物質を比較するときは、質量減弱係数μ/ρを用います。
CORE FORMULA
基本公式
I = I0 × e^(-μx)
具体例で確認
線減弱係数0.20 cm^-1の均質物質を5 cm通過する細い単色ビームを考えます。
= exp(-0.20 × 5) = exp(-1) ≈ 0.37
散乱線の混入を無視できる条件では、一次線は入射強度の約37%になります。単純に毎cm同じ量だけ引く線形減少ではありません。
専門的にもう一歩
線減弱係数は光電効果、コンプトン散乱などの相互作用に依存し、エネルギーと物質組成で変化します。CT値の基礎となります。
臨床・測定での確認点
- 線減弱係数は光子エネルギーと物質の原子番号・密度に依存します。
- 広いビーム条件では散乱線が検出器へ入るため、単純な指数減弱から外れるビルドアップが生じます。
- 半価層はμが一定の単色ビームならln2/μで関係付けられます。
- CT値計算では同じ実効エネルギーに対する物質と水のμを比較します。
覚えるポイント
- 指数減弱
- CT値との関係
- 光電効果・コンプトン散乱
間違えやすい点
- 一定条件の固定値と考えない
- 質量減弱係数と混同しない
- エネルギー依存性を忘れない