RADIOLOGY GLOSSARY
光電効果(Photoelectric Effect)
IN ONE LINE
一言でいうと
光子が物質中の電子にエネルギーをほぼ全て渡して吸収される相互作用です。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
放射線の光子が電子をはじき出し、自分は消える反応です。
身近なイメージ
ボールが相手にぶつかって力を渡し、自分は止まるイメージです。
そもそも光電効果とは?
光電効果は、光子が原子の軌道電子へ全エネルギーを渡して消滅し、電子が光電子として放出される相互作用です。空孔を埋める過程で特性X線またはAuger電子も生じます。
診断X線画像では骨や造影剤の高いコントラストへ寄与しますが、患者に吸収される割合も増えます。発生確率は低エネルギー・高原子番号物質で大きく、吸収端付近で急変します。
定義・しくみ
入射光子エネルギーhνが結合エネルギーEbを上回るとき、光子が全吸収され、運動エネルギーEk=hν-Ebの光電子が放出される現象です。発生確率は概略として原子番号の高い物質ほど大きく、光子エネルギーが上がるほど急減します。
具体例で確認
70 keV光子が結合エネルギー20 keVの電子へ光電吸収されたとします。
光電子運動エネルギー = 70 - 20 = 50 keV
残りの結合エネルギー相当は空孔遷移に伴う特性X線やAuger電子として放出されます。入射70 keVすべてが光電子運動エネルギーにはなりません。
専門的にもう一歩
低エネルギー領域や高原子番号物質で起こりやすく、画像コントラストや造影剤のK吸収端に関係します。
臨床・測定での確認点
- ヨードやバリウムのK吸収端を利用すると、周囲軟部とのコントラストが高まります。
- 光電効果は光子を完全に除くため、受像器へ届く一次線差と患者吸収へ関係します。
- Compton散乱は光子が残って方向を変える点で異なります。
- 高原子番号・低光子エネルギーほど優位という定性的関係をまず押さえます。
覚えるポイント
- 低エネルギー・高Zで増える
- 画像コントラスト
- K吸収端
間違えやすい点
- コンプトン散乱と条件を逆にしない
- 散乱光子が残る反応と考えない
- 造影剤との関係を見落とさない