RADIOLOGY GLOSSARY
コンプトン散乱(Compton Scattering)
IN ONE LINE
一言でいうと
光子が電子に一部のエネルギーを渡し、方向とエネルギーを変えて散乱する相互作用です。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
放射線が電子に少しエネルギーを渡し、曲がって進む現象です。
身近なイメージ
ビリヤードの球がぶつかって向きを変えるようなイメージです。
そもそもコンプトン散乱とは?
Compton散乱は、光子が弱く結合した電子へ一部エネルギーを渡し、反跳電子とエネルギーの低い散乱光子を生じる相互作用です。診断X線領域の軟部組織で主要な散乱源になります。
発生確率は単位質量当たりの電子密度に主に依存し、原子番号依存性は光電効果ほど強くありません。散乱光子は画像コントラスト低下と術者被ばくの原因になります。
定義・しくみ
入射光子が自由電子近似できる外殻電子と非弾性散乱し、エネルギー・運動量保存に従って反跳電子と散乱光子へ分かれる現象です。散乱角が大きいほど散乱光子のエネルギーは低下し、入射エネルギーが高いほど前方散乱が増えます。
具体例で確認
患者内でCompton散乱した光子が方向を変えて検出器へ入る場合を考えます。
散乱光子は発生位置とは異なる方向から検出され、画像全体へ不要な信号を加えてコントラストを低下させます。照射野制限やグリッドで混入を減らします。
専門的にもう一歩
診断X線領域では軟部組織で重要です。散乱線は画像コントラストを低下させ、グリッドや照射野絞りで低減します。
臨床・測定での確認点
- 診断領域では患者が術者被ばくの主な散乱線源になります。
- 照射野と被写体厚が増えるほど散乱線量・散乱線含有率は一般に増えます。
- 光電効果は光子が消滅し、Compton散乱では低エネルギー光子が残ります。
- 電子密度が近い軟部組織間では発生確率差が小さく、画像コントラストを低下させます。
覚えるポイント
- 散乱線
- グリッド
- 電子密度依存性
間違えやすい点
- 光子が完全に消えると考えない
- 光電効果とZ依存性を混同しない
- 画質と被ばくの両方に関係する点を忘れない