RADIOLOGY GLOSSARY
励起(Excitation)
IN ONE LINE
一言でいうと
原子・分子・原子核などがエネルギーを受け取り、低い状態から高い状態へ移ることです。電子の放出を伴う電離とは区別します。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
エネルギーをもらって、いつもより高い状態になることです。原子の電子が外へ飛び出さずに高い状態へ移る場合もあります。
身近なイメージ
シンチレータでは放射線が作る励起等のエネルギーが光へ変換されます。核の励起が解けるγ放出とは発生部位が異なります。
そもそも励起とは?
電子状態の励起と核状態の励起を区別します。
低い状態へ戻る際のエネルギーは光や別の過程で放出されます。
定義・しくみ
対象の量子系が基底状態または低い状態から、それより高いエネルギー状態へ移行することです。原子の束縛電子が高い束縛状態へ移る励起では、電子は原子に残ります。励起状態の寿命や緩和経路は対象と周囲の条件に依存します。
CORE FORMULA
基本公式
ΔE=E高−E低(光子による遷移ならhνが対応)
FORMULA NOTES
公式の補足
ΔEは正のエネルギー差です。
遷移確率や緩和速度はエネルギー差だけでは決まりません。
具体例で確認
教材用に二状態の差を3.0 eVとし、光子吸収でその遷移が許される理想モデルです。
吸収光子エネルギー=E2−E1=3.0 eV
エネルギー差に対応する遷移です。エネルギーが一致するだけで全遷移が必ず許されるとはしません。
専門的にもう一歩
励起と電離は放射線の衝突エネルギー損失を構成します。量子遷移には選択則や状態の幅があり、入射エネルギーの全量が一個の励起へ移るとは限りません。蛍光・非放射緩和などは測定信号や熱に影響します。原子核の準安定励起は核異性体として扱う場合があり、原子電子殻の励起と混同しません。
臨床・測定での確認点
- 励起された系が電子・分子・核のどれか明示します。
- 発光量と付与エネルギーの比例範囲を確認します。
- 温度や消光など周辺条件を管理します。
覚えるポイント
- 高い状態への移行
- 束縛電子の励起と電離
- 緩和による放出
間違えやすい点
- 励起なら必ず電子が飛び出すとしない
- 電子の励起と核の励起を同一にしない
- 励起エネルギーが必ずすべて可視光になるとしない