RADIOLOGY GLOSSARY
核異性体(Nuclear Isomer)
IN ONE LINE
一言でいうと
同じAとZを持つ核のうち、比較的長く保たれる励起状態です。核異性体転移はその状態から低い状態へ移る過程を指します。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
陽子と中性子の数は同じまま、原子核が高いエネルギー状態にしばらく留まっているものです。
身近なイメージ
99mTcと99TcはどちらもZ=43、A=99ですが、核状態が異なります。99mTcは核医学に利用される準安定状態です。
そもそも核異性体とは?
99mTcのmは準安定状態を示します。
状態である核異性体と、変化である核異性体転移を区別します。
定義・しくみ
同じ陽子数・中性子数の核において、遷移が抑制され比較的長い寿命を持つ励起状態です。通常はm、複数状態ではm1、m2などで区別します。単なる化学的な異性体ではなく、核のエネルギー・スピン等の状態の違いです。
CORE FORMULA
基本公式
核異性体の比較:AとZは共通、核の励起状態が異なる
FORMULA NOTES
公式の補足
mは質量の単位でも質量数への加算でもありません。
核異性体転移だけならAとZは保たれます。
具体例で確認
核種表記99mTcについて、核子数と中性子数を読み取ります。
A=99;Z=43;N=99−43=56
mを付けても中性子が一個増えるわけではなく、Nは56です。
専門的にもう一歩
寿命の長さは遷移の多重極性やスピン・パリティなどに関係し、全励起状態が核異性体として扱われるわけではありません。低い状態への移行にはγ放出や内部転換があり、核異性体が別の壊変様式も持つ場合は分岐を確認します。状態ごとの半減期と放射線データを混ぜないことが重要です。
臨床・測定での確認点
- 核種名にmを含めて記録します。
- 状態別の半減期・放出率を使います。
- γ放出と内部転換の分岐を確認します。
覚えるポイント
- AとZが同じ
- 比較的長寿命の励起状態
- mと核異性体転移
間違えやすい点
- すべての励起状態をmとしない
- 化学異性体と混同しない
- 99mTcと99Tcの半減期を取り違えない