RADIOLOGY GLOSSARY
電子殻(Electron Shell)
IN ONE LINE
一言でいうと
原子内の電子状態を主量子数ごとにまとめた殻です。K殻・L殻などで表し、空孔や電子遷移が特性X線の発生に関係します。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
原子の電子は決まったエネルギー状態に入ります。その状態を大まかにまとめたものが電子殻です。
身近なイメージ
内殻に空孔が生じ、外側の電子が落ち込むと、差のエネルギーが特性X線やオージェ電子として放出され得ます。
そもそも電子殻とは?
n=1、2、3はK、L、M殻に対応します。
殻は硬い壁や、電子が必ず回る古典的な線ではありません。
定義・しくみ
同じ主量子数nを持つ電子状態の集合です。各殻には副殻と軌道があり、パウリの排他原理による一殻の最大電子数は2n²です。最大収容数と実際の基底状態の占有数は異なり、多電子原子では単に内側から殻全体が順に満杯になるとは限りません。
CORE FORMULA
基本公式
主量子数nの殻の最大電子数=2n²
FORMULA NOTES
公式の補足
nは正の整数で、K殻はn=1です。
2n²は容量の式で、占有順序の万能則ではありません。
具体例で確認
主量子数n=2のL殻に入る電子状態の最大数を計算します。
2n²=2×2²=8
最大8個です。特定元素のL殻に必ず8個入っているという意味ではありません。
専門的にもう一歩
電子状態は主量子数だけでなく軌道角運動量や磁気量子数、スピンで区別されます。多電子原子の束縛エネルギーには遮蔽等が影響し、副殻の差によって特性X線の線も分かれます。空孔の緩和は核の励起状態の緩和と別の過程で、電子捕獲後にも原子電子殻の再配列が起こります。
臨床・測定での確認点
- 殻・副殻と元素を明示します。
- 特性X線エネルギーを殻名だけで決めません。
- 核異性体転移と原子電子遷移を区別します。
覚えるポイント
- K・L・M殻
- 最大2n²個
- 空孔と特性X線・オージェ電子
間違えやすい点
- 電子殻を原子核の殻と混同しない
- 容量を実際の電子数としない
- 電子の軌道を古典的な惑星軌道と断定しない