RADIOLOGY GLOSSARY
フローボイド(Flow Void)
IN ONE LINE
一言でいうと
血流などの流れによりMRIで信号が低下して黒く見える現象です。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
動いている血液が撮像の途中で位置を変えるため、信号がうまく戻らず黒く見えます。
身近なイメージ
写真を撮る瞬間に人が動くと写りにくいのに似ています。
そもそもフローボイドとは?
フローボイドは、流れる血液がMRIで低信号または無信号に見える現象です。代表的なSE法では、90度パルスで励起された血液が180度パルスや読出し前にスライス外へ流出し、エコーを作れないことで生じます。
血流は常に黒くなるわけではありません。GREの流入効果では未飽和血液が高信号になり、遅い流れや乱流では位相分散、撮像面、TE、スライス厚によって信号が変化します。
定義・しくみ
移動スピンがエコー形成に必要な複数RFパルスを同じスライス内で受けられないtime-of-flight効果、または速度分布によるボクセル内位相分散によって、流体信号が消失する現象です。SE法の高速流では黒い管腔として現れ、血管開存の手掛かりになります。
具体例で確認
T2強調SE像で脳動脈が黒い線状構造として描出されたとします。
高速血流によるflow voidが考えられ、必ずしも血栓や空気による信号欠損ではありません。一方、流れが遅い狭窄後や動脈瘤では高信号化することもあるため、MRAと照合します。
専門的にもう一歩
SE系画像では高速血流が無信号として見えることがあります。血管の開存や流速の評価に役立つ一方、乱流や遅い流れでは見え方が変わります。
臨床・測定での確認点
- SEでは流出により低信号、TOF-GREでは流入により高信号となる代表的な違いを押さえます。
- 流れの方向がスライス面内か面外かで、RFパルスを受ける回数が変わります。
- 乱流や速度分布は位相分散を増やし、狭窄後の信号欠損を過大に見せることがあります。
- 血管内低信号を開存の証拠として過信せず、撮像法と血流速度を確認します。
覚えるポイント
- 血管が黒く見える
- SE系で問われやすい
- 血流と信号の関係
間違えやすい点
- 血管閉塞と即断しない
- MRAの高信号血管と混同しない
- 流速や撮像法で変わる