RADIOLOGY GLOSSARY
ヒール効果(陽極ヒール効果)
IN ONE LINE
一言でいうと
X線管の陽極側でX線強度が低く、陰極側で強くなる現象です。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
陽極内部でX線が吸収されるため、X線の出方に左右差ができます。
身近なイメージ
斜めの壁の中から光が出ると、片側が弱くなるようなイメージです。
そもそもヒール効果とは?
ヒール効果は、X線管の陽極側へ出るX線ほどターゲット内部を長く通るため吸収され、陰極側より強度が低くなる現象です。照射野内に陽極側から陰極側への強度分布が生じます。
被写体の厚い側をX線強度の高い陰極側へ置くと、受像器線量の均一化に利用できます。一方、均一性評価や大照射野では意図しない濃度差の原因にもなります。
定義・しくみ
傾斜した陽極ターゲット内で発生したX線が、陽極側へ放出されるほど長い物質内経路を通って自己吸収されるため、管軸方向のX線強度と線質が不均一になる現象です。陽極角度が小さい、照射野が広い、SIDが短いほど一般に強く現れます。
具体例で確認
大腿のように一方が厚い部位を管軸方向へ配置して撮影するとします。
厚い近位側を陰極側、薄い遠位側を陽極側へ置くと、X線強度差を被写体厚差の補償に利用できます。陽極側の方が強いと逆に覚えないようにします。
専門的にもう一歩
ヒール効果は陽極角、照射野サイズ、SIDに影響されます。厚い部位を陰極側に置くなど、撮影ポジショニングの工夫として問われます。
臨床・測定での確認点
- 陰極側はX線強度が高く、陽極側は低いのが基本です。
- 陽極側のビームは低エネルギー成分がより吸収されるため、強度だけでなく線質も変化します。
- 陽極角度を小さくすると実効焦点は小さくなりますが、利用可能な照射野は狭くなります。
- 管球の向きは装置表示で確認し、患者の頭尾方向と機械的な陽極・陰極を推測だけで決めません。
覚えるポイント
- 陽極側で強度が低い
- 陰極側で強度が高い
- 長軸方向の濃度差対策
間違えやすい点
- 陽極側と陰極側を逆に覚えない
- 照射野が広いほど目立ちやすい
- 画像濃度ムラの原因として整理する