RADIOLOGY GLOSSARY

インシデント医療安全上のインシデント事象

IN ONE LINE

一言でいうと

患者に重大な影響は出なかったが、事故につながり得た出来事です。

BEGINNER GUIDE

はじめて学ぶ方へ

ヒヤリとした、またはハッとした出来事を共有して再発を防ぎます。

身近なイメージ

薬を渡す直前に患者違いに気づいた、というような事例です。

VISUAL GUIDE

図・グラフで確認

手順、照合、装置、監督という複数の防護層の穴が重なるスイスチーズモデル
一つの防護策は完全ではありません。複数層の弱点が同時に重なったとき、危険が患者まで到達します。

そもそもインシデントとは?

インシデントは、医療の過程で本来と異なる事象が起こった、または起こりかけた出来事です。患者への影響がなかったnear missも、将来の重大事故につながる仕組み上の弱点を見つける情報になります。

報告の目的は個人を責めることではなく、何が起き、どの防護策が働き、どこが破られたかを分析して再発を減らすことです。頻度、影響度、検出可能性などを踏まえて対策の優先順位を決めます。

定義・しくみ

診療行為の実施中に、意図した手順や結果から逸脱した出来事、または患者へ影響する前に発見された出来事を含む安全管理上の事象です。事故との用語区分は施設制度で異なることがありますが、患者影響の有無だけで報告価値を判断しません。

具体例で確認

別患者の撮影プロトコルを選択したものの、照射前の確認で気づいて修正した場面を考えます。

被ばくがなくても報告し、患者選択画面、表示方法、業務中断、ダブルチェックの設計を調べます。『実害がなかったから何もしない』では学習機会を失います。

専門的にもう一歩

インシデント報告は個人責任の追及ではなく、システム改善に使います。アクシデント、ヒヤリ・ハット、再発防止策との違いを整理します。

臨床・測定での確認点

  • 報告しやすい非懲罰的文化と、結果を現場へ返す仕組みが報告制度の実効性を高めます。
  • 根本原因分析では直接原因だけでなく、人員、環境、手順、機器、組織要因を調べます。
  • 注意喚起だけに頼らず、標準化、強制機能、独立照合など強い対策を検討します。
  • 同種事象の傾向を集計し、対策後に発生率や検出段階が改善したかを評価します。

覚えるポイント

  • 再発防止
  • 報告文化
  • アクシデントとの違い

間違えやすい点

  • 隠すべき失敗と考えない
  • 患者影響の有無で整理する
  • 個人の注意だけに対策を寄せない