RADIOLOGY GLOSSARY
逐次近似再構成(Iterative Reconstruction)
IN ONE LINE
一言でいうと
測定データと推定画像を繰り返し比較しながら画像を作るCT再構成法です。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
画像を何度も見直して、ノイズを抑えながらよりよい画像に近づける方法です。
身近なイメージ
下書きを見直しながら少しずつ完成原稿に近づける作業に似ています。
そもそも逐次近似再構成とは?
逐次近似再構成は、仮の画像から計算した投影データと実測投影データの差を評価し、画像を繰り返し更新して整合させる再構成法です。統計的な量子ノイズや装置の物理モデルを取り入れられます。
従来のフィルタ補正逆投影FBPより低線量データのノイズやストリークを抑えやすく、CT被ばく低減に利用されます。ただし画像の質感、低コントラスト分解能、空間分解能は処理強度や対象条件で変化します。
定義・しくみ
初期画像を設定し、順投影、実測値との差の計算、誤差の逆投影、正則化などを反復して、データ適合性と画像の事前条件を満たす解を求める再構成法です。統計的逐次近似、モデルベース逐次近似、逐次近似応用型などがあり、厳密なアルゴリズムは装置ごとに異なります。
具体例で確認
低線量撮影の投影データに量子ノイズが多い場合を考えます。
ノイズ統計と装置モデルを用いて不確かな変動を抑えながら投影データへ合う画像を更新します。単なる撮影後の平滑化とは異なりますが、強すぎる設定では不自然な質感や小信号低下に注意します。
専門的にもう一歩
逐次近似再構成はFBPに比べてノイズ低減や被ばく低減に有利です。ただし画像テクスチャが変化することがあり、過度な適用では不自然な見え方になる場合があります。
臨床・測定での確認点
- 再構成強度を上げるほど標準偏差は低下しやすい一方、画像テクスチャが変化します。
- 線量低減率は撮影部位、患者体格、診断目的、装置とアルゴリズムに依存します。
- 非線形処理のため、MTFやNPSは線量・コントラスト条件をそろえて評価します。
- AI再構成と逐次近似再構成は学習モデルの有無や処理原理が異なるため、同義としません。
覚えるポイント
- FBPとの違い
- ノイズ低減と線量低減
- 画像テクスチャの変化
間違えやすい点
- 空間分解能が無条件に改善すると考えない
- ノイズが少ないほど常に良いとは限らない
- 処理時間や装置依存性もある