RADIOLOGY GLOSSARY
NSF(Nephrogenic Systemic Fibrosis)
IN ONE LINE
一言でいうと
腎機能低下患者でガドリニウム造影剤に関連して起こり得る全身性線維化疾患です。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
腎臓の働きが弱い人では、MRI造影剤の使用に特に注意が必要です。
身近なイメージ
体から出ていきにくい薬が残ると問題になる、という安全管理の考え方です。
そもそもNSFとは?
NSFは、重度の腎機能障害患者などでGd造影剤投与後に起こり得る、皮膚や結合組織の線維化を特徴とする重篤な疾患です。皮膚硬化、疼痛、関節拘縮から全身臓器へ及ぶことがあります。
発症リスクは腎機能、急性腎障害、投与量、反復投与、Gd製剤の安定性などに関係します。全ての製剤が同じリスクではなく、適応確認とリスクの低い製剤選択が重要です。
定義・しくみ
主として高度腎機能低下または急性腎障害の患者において、特定のGd造影剤曝露と関連して報告された全身性線維化疾患です。Gdキレートの安定性低下と体内滞留が関与すると考えられ、皮膚の肥厚・硬化、四肢運動制限、内臓線維化などを生じます。
具体例で確認
透析中の患者へ造影MRIを検討する状況を考えます。
まず非造影MRIや他検査で目的を達成できるかを検討し、必要な場合は腎機能、製剤リスク、最小投与量、透析計画を医師・施設基準で確認します。『透析すれば無条件に安全』とは考えません。
専門的にもう一歩
NSFは nephrogenic systemic fibrosis の略です。高度腎機能障害、透析患者、造影剤の種類と投与量がリスク評価で重要です。
臨床・測定での確認点
- eGFRだけでなく急性腎障害の有無、透析状況、過去の投与を確認します。
- 一般に安定性の高い環状型製剤は、リスクの高い線状型製剤よりNSFリスクが低いとされます。
- 予防目的の透析開始や透析回数だけでリスクを完全に除けるとは限りません。
- ヨード造影剤による造影剤腎障害やアレルギー様反応と、NSFの病態を混同しません。
覚えるポイント
- ガドリニウム造影剤のリスク
- 腎機能評価
- MRI安全管理
間違えやすい点
- ヨード造影剤の腎症と同じ病態にしない
- 腎機能確認を省略しない
- 全患者で同じリスクと考えない