RADIOLOGY GLOSSARY
核結合エネルギー(Nuclear Binding Energy)
IN ONE LINE
一言でいうと
原子核を互いに離れた自由な陽子と中性子へ分解するために必要なエネルギーで、核の質量欠損に対応します。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
核をばらばらの陽子と中性子に戻すために必要なエネルギーです。核ができると、その分だけ質量は小さくなります。
身近なイメージ
核反応前後の結合状態が変わると質量差に応じてエネルギーが放出・吸収されます。反応のQ値では、関係する粒子の質量を同じ基準で扱います。
そもそも核結合エネルギーとは?
束縛された核の質量は、自由な構成核子の質量の合計より小さくなります。
核全体の結合エネルギーと、核子1個当たりの結合エネルギーを区別します。
定義・しくみ
自由な陽子Z個と中性子N個の質量の合計から核の質量を引いた質量欠損Δmを、E=Δmc²でエネルギーへ換算した量です。電子殻の束縛エネルギーとは、対象とエネルギー尺度が異なります。
CORE FORMULA
基本公式
B = [Zmp + Nmn − Mnucleus]c²;核子当たり
FORMULA NOTES
公式の補足
核質量を使う式では電子の質量を含めません。
uを使う場合はu·c²≈931.5 MeVで換算します。
具体例で確認
教材用に、ある核の質量欠損を0.0100 uと仮定します。1 u·c²を931.5 MeVに丸めます。
B = 0.0100 × 931.5 = 9.315 MeV
この仮想例の核結合エネルギーは約9.32 MeVです。核子当たりを求めるには質量数で割ります。
専門的にもう一歩
結合エネルギーは、強い相互作用や陽子間のクーロン反発などを反映した核の全エネルギー差です。核子当たりの平均結合エネルギーは安定性や核反応の収支を理解する指標ですが、壊変可能性は個々の初期・終状態の質量差も確認します。平均値だけからすべての壊変形式を断定できません。
臨床・測定での確認点
- 原子質量と核質量を混在させないようにします。
- 核子当たりの値にはAで割る操作が必要です。
- 質量データの単位と核状態を確認します。
覚えるポイント
- 質量欠損と結合エネルギーの対応
- 核全体と核子当たりの区別
- 電子殻の束縛エネルギーとの違い
間違えやすい点
- 核の質量を核子の単純和としない
- 結合エネルギーを常に1核子当たりと解釈しない
- 原子質量を核質量の式へ無補正で代入しない