RADIOLOGY GLOSSARY
核異性体転移(Isomeric Transition)
IN ONE LINE
一言でいうと
準安定な励起状態の原子核が、γ線放出や内部転換によって低いエネルギー状態へ移る過程で、原子番号と質量数は変わりません。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
励起された核が余分なエネルギーを失う変化です。別の元素へ変わるのではなく、同じ核種のエネルギー状態が変わります。
身近なイメージ
99mTcは核異性体転移で99Tcへ移ります。mは質量数99が別の値になる記号ではなく、励起状態を表す記号です。
そもそも核異性体転移とは?
準安定状態は核種記号にmなどを付けて表します。
γ線放出だけでなく内部転換も脱励起の経路になります。
定義・しくみ
核異性体と呼ぶ比較的長寿命の励起状態から、同じZとAの低い励起状態または基底状態へ遷移することです。エネルギーはγ光子として放出されるか、軌道電子へ直接移って内部転換電子として放出されます。内部転換後の電子殻空孔からは追加の放射線が生じ得ます。
CORE FORMULA
基本公式
(A,Z,m)→(A,Z,低い状態)+γ または内部転換電子
FORMULA NOTES
公式の補足
mは準安定状態を示し、AやZへの加算ではありません。
内部転換では電子結合エネルギーを差し引いた運動エネルギーを考えます。
具体例で確認
教材用に99mTcのA=99、Z=43が核異性体転移するとします。
Ad=99;Zd=43
AとZは変わりません。原子核のエネルギー状態が低くなります。
専門的にもう一歩
遷移の確率は核準位のエネルギー、スピン、パリティなどに関係します。内部転換は核のエネルギーを軌道電子へ直接渡す過程で、放出済みγ線の光電吸収と同義ではありません。核異性体はIT以外の壊変分岐を持つ場合もあるため、準安定状態なら必ずITだけで壊変すると決めません。
臨床・測定での確認点
- γ線と内部転換の分岐を確認します。
- 娘の放射能と基準時刻も考慮します。
- 測定器は光子・電子の放出スペクトルに適合させます。
覚えるポイント
- AとZは不変
- 準安定核の脱励起
- γ線と内部転換
間違えやすい点
- 同位体を別の元素へ変える壊変としない
- 内部転換を光電効果としない
- 準安定核の壊変がすべてITのみとしない