RADIOLOGY GLOSSARY
分裂死(Mitotic Death after Irradiation)
IN ONE LINE
一言でいうと
照射後の細胞が分裂を試みる過程などで正常に増殖を続けられなくなる現象です。照射直後の物理的な消失とは異なります。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
照射された細胞がすぐ消えなくても、分裂の段階でうまく増えられなくなることがあります。そのような遅れて現れる反応を考えます。
身近なイメージ
照射直後には膜が保たれた細胞が、数回分裂した後に小さな集団しか作れない場合があります。直後の生存染色だけで長期の生存を保証できません。
そもそも分裂死とは?
放射線生物学では、生殖的な増殖能力の喪失が重要な終点です。
分裂破局などの過程と、その後の細胞死の形式は分けて扱います。
定義・しくみ
照射後に細胞分裂に関連して現れる細胞死・増殖不能を記述する概念です。DNAや染色体の損傷により一回または複数回の分裂後に増殖が途絶える場合があります。再生産能力の喪失という終点と、アポトーシスなどの形態学的な死亡機構は一致するとは限りません。
FORMULA
直後に生きて見える割合を長期生存率としません。
分裂回数だけで細胞死の機構を一意に分類できません。
具体例で確認
照射した一細胞が数回分裂するが、その後増殖を止め、規定のコロニーまで成長しない教材用例です。
クローン形成試験では生存細胞として数えられない場合があります。数回の分裂ができたことだけで無損傷と判定しません。
専門的にもう一歩
染色体損傷を持つ細胞が分裂へ進むと、異常分裂や増殖停止を来すことがあります。分裂破局は異常分裂に関係する過程を表すもので、必ず独立した一つの細胞死様式と定義されるわけではありません。照射から結果が現れるまでの時間は細胞の分裂速度などに依存し、短時間測定とクローン形成試験の結果は異なり得ます。
臨床・測定での確認点
- 十分な追跡期間を設けます。
- 形態・分裂経過・クローン形成を区別して記録します。
- 細胞集団の周期や増殖速度も確認します。
覚えるポイント
- 遅れて現れる増殖能力の喪失
- 照射直後の消失とは異なる
- 長期クローン生存の評価
間違えやすい点
- 照射直後に消えない細胞をすべて生存としない
- アポトーシスと分裂死を完全な同義にしない
- 分裂破局を必ず一つの独立死亡機構としない