RADIOLOGY GLOSSARY
フェーズドアレイ(Phased Array Transducer)
IN ONE LINE
一言でいうと
複数素子の送受信タイミングを制御してビームの方向と焦点を作るアレイです。診断超音波では狭い開口からのセクタ走査に用いられます。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
素子ごとに音を出す時刻を少し変え、音が重なる方向を選びます。プローブ全体を動かさずに方向や焦点を変えられます。
身近なイメージ
隣の素子との経路差を、発射時刻の差で補うと選んだ方向で波がそろいます。受信信号も同じように方向に応じて整列できます。
そもそもフェーズドアレイとは?
素子間の遅延で偏向・集束します。
受信時にも遅延を合わせます。
定義・しくみ
配列した素子に相対的な遅延を与え、波の干渉を利用してビームを形成する方式です。診断用の典型的なフェーズドアレイでは開口全体を用い、遅延を変えて扇形へ偏向します。周波数だけでなく素子間隔、開口、偏向角がローブ特性へ関係します。
CORE FORMULA
基本公式
|Δt|=
FORMULA NOTES
公式の補足
dとcの長さ単位を合わせます。
有限距離の焦点には各素子の経路長を使います。
具体例で確認
教材用の遠方平面波模型で素子間隔0.3 mm、偏向30°、c=1,540 m/sです。
|Δt|= μs
隣接遅延の大きさは約0.0974 μsです。符号は偏向方向と座標の取り方で変わります。
専門的にもう一歩
焦点を持つビームでは遠方の線形遅延だけでなく焦点への距離差も使います。大きな素子間隔は意図しない強い方向のローブを生む可能性があります。偏向範囲や周波数に合う設計が必要で、電子偏向が可能というだけで全方向で同じ感度や分解能を保証するわけではありません。
臨床・測定での確認点
- 偏向範囲と開口を確認します。
- 大きな偏向での感度変化に注意します。
- ローブ由来の偽像を考慮します。
覚えるポイント
- 相対遅延
- 電子偏向
- 素子間隔とローブ
間違えやすい点
- 機械回転だけで方向を作るとしない
- 遅延を全素子同じとしない
- 全方向で同じビーム特性としない