RADIOLOGY GLOSSARY
匿名化(医療情報の匿名化処理)
IN ONE LINE
一言でいうと
医療情報から個人を識別できる情報を除去・変換する処理です。対応表で本人へ戻せる仮名化とは区別します。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
名前やIDだけでなく、画像内の文字、日付、顔など再識別の手掛かりも点検します。名前を番号へ置き換えるだけの仮名化とは区別します。
身近なイメージ
教育用画像の氏名・ID・焼き込み文字を処理し、日付や顔貌から本人を推測できないかも確認するイメージです。
そもそも匿名化とは?
匿名化は、医療情報から特定の個人を識別できる情報を削除または変換し、研究、教育、共有などでプライバシー侵害の可能性を下げる処理です。氏名を消すだけでは十分ではありません。
DICOM画像では患者名・IDのtagに加え、検査日、施設名、UID、自由記載欄、画像へ焼き込まれた文字、顔を再構成できる頭部画像なども再識別の手掛かりになります。利用目的と再識別リスクに応じて処理します。
定義・しくみ
直接識別子と、他情報との照合で個人を推測できる準識別子を除去・一般化・置換する処理です。対応表を使って元の患者へ戻せる仮名化またはpseudonymizationと、合理的に再識別できない匿名化は区別し、必要な管理方法も変わります。
具体例で確認
頭部CTを教育用データとして院外へ提供する場面を考えます。
患者名とIDだけでなく、DICOM tag、焼き込み文字、日付、UID、施設情報、顔貌再構成の可能性を点検し、提供目的に不要な情報を削除・置換します。
専門的にもう一歩
DICOM画像には患者氏名、ID、生年月日、施設名など多くのタグ情報が含まれます。画面上の焼き込み文字や画像内情報も確認が必要です。
臨床・測定での確認点
- 対応表で患者と再び結び付ける必要がある処理は仮名化として区別し、対応表を画像データと分離して権限を限定します。匿名化と仮名化を同義語にしません。
- Private tagやstructured report、画像以外の添付ファイルにも識別情報が残ることがあります。
- 日付を一律削除すると臨床経過が失われるため、患者ごとに同じ日数をshiftする方法があります。
- 画像の非識別化処理だけで、法令上の『匿名加工情報』の要件を満たすとは限りません。適用法令・利用目的を確認し、暗号化、アクセス制御、契約、監査も行います。
覚えるポイント
- 個人情報保護
- DICOMタグ
- 研究・教育利用時の注意
間違えやすい点
- ファイル名だけ変えれば十分と考えない
- 画像内に焼き込まれた情報を見落とさない
- 再識別リスクを考える