RADIOLOGY GLOSSARY
減弱補正(Attenuation Correction)
IN ONE LINE
一言でいうと
体内でガンマ線や消滅放射線が吸収・散乱される影響を補正する処理です。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
光子が体を通る間に弱まる影響を補います。SPECTは放出点から検出器まで、PETは同時計数される両光子の経路を考えます。
身近なイメージ
遠くの声が小さく聞こえる分をマイクで補うような考え方です。
そもそも減弱補正とは?
核医学の減弱補正は、放出された光子が検出器へ届くまでに組織で吸収・散乱され、検出計数が減る影響を補う処理です。SPECTでは放出点から検出器までの経路を考えます。PETの真の同時計数では、同じ応答線LOR上の両光子の経路全体を考える点が異なります。
SPECTでは均一減弱を仮定するChang法やCT減弱マップ、PET/CTではCT値を511 keVの線減弱係数へ変換したμ-mapを用います。位置ずれや金属は補正アーチファクトの原因になります。
定義・しくみ
経路に沿う線減弱係数μの積分から、光子が減弱を受けずに届く確率を推定し、再構成などで計数の損失を補う方法です。SPECTでは放出点から検出器までを積分します。PETの真の同時計数の確率は両光子の確率の積となり、同じLORの体内部分全体のμ積分で決まります。そのLOR上では放出点が移動しても減弱因子は変わりません。CTまたは透過線源などから減弱係数分布を得ます。
具体例で確認
SPECTで同じ放射能濃度の二点から同じ検出方向へ向かう光子を考え、体内経路が長い点ほど減弱が大きいとします。
放出点から検出器までの減弱を補正し、位置による見かけの集積差を減らします。この単一光子の例をPETへそのまま当てはめず、PETでは両光子のLOR全体を扱います。補正によるノイズやアーチファクトにも注意します。
専門的にもう一歩
SPECTやPETでは減弱補正により定量性が改善します。CT減弱補正では位置ずれや金属アーチファクトが補正誤差につながります。
臨床・測定での確認点
- SPECT/CT・PET/CTで呼吸や体動によりCTと放出像がずれると、肺・肝境界などに偽集積が生じます。
- 金属や高濃度造影剤のCT値はμ-mapを過大にし、過補正を起こすことがあります。
- PETでは511 keV、SPECTでは核種のγ線エネルギーに対応するμを用います。
- 減弱補正、散乱補正、偶発同時計数補正は異なる物理現象を補います。
覚えるポイント
- PET/SPECTの定量性
- CT減弱補正
- SPECTの片側経路とPETのLOR全体の違い
間違えやすい点
- 補正すれば常に誤差がなくなると考えない
- 位置ずれに注意する
- 散乱補正と区別する