RADIOLOGY GLOSSARY
散乱補正(Scatter Correction)
IN ONE LINE
一言でいうと
核医学画像で散乱線の混入を推定し、画像や定量値への影響を減らす補正です。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
まっすぐ届いた信号ではない成分を減らして、画像を見やすくします。
身近なイメージ
雑音を減らして、聞きたい声をはっきりさせるような処理です。
そもそも散乱補正とは?
核医学の散乱補正は、体内や検出器でCompton散乱してエネルギーと方向が変わった光子が、主ウィンドウへ混入する影響を推定して除く処理です。散乱線は位置情報を誤らせ、コントラストと定量性を低下させます。
SPECTでは副エネルギーウィンドウを用いるTEW法など、PETではモデル計算やtail fittingなどが使われます。単に主ウィンドウを狭くするだけでは、エネルギー分解能のため混入する全散乱を除けません。
定義・しくみ
測定データに含まれる散乱事象の空間・エネルギー分布を、追加ウィンドウまたは物理モデルから推定し、投影データまたは再構成過程で差し引く補正です。TEW法では主ピークの低・高エネルギー側の狭いウィンドウから主窓内散乱を推定します。
具体例で確認
主ウィンドウ内計数が1000、推定散乱計数が200だったと単純化します。
補正一次計数 = 1000 - 200 = 800
散乱補正後の推定一次計数は800です。副ウィンドウ計数をそのまま引くのではなく、幅や推定モデルに応じて主窓内散乱へ換算します。
専門的にもう一歩
エネルギーウィンドウ法などで散乱成分を推定します。散乱線はコントラスト低下や定量誤差の原因になります。
臨床・測定での確認点
- 散乱補正でコントラストは改善しますが、差引きによって統計ノイズは増え得ます。
- TEWの副ウィンドウ幅・位置は核種と装置のエネルギー分解能へ合わせます。
- 複数核種同時収集では別核種からのdownscatterやcross-talkも考慮します。
- 減弱補正の前後関係や再構成法によって定量値が変わるため、施設条件を統一します。
覚えるポイント
- エネルギーウィンドウとの関係
- 画像コントラスト改善
- 定量性への影響
間違えやすい点
- 減弱補正と同じ処理にしない
- 散乱線を完全に消せると考えない
- ウィンドウ設定の影響を忘れない