RADIOLOGY GLOSSARY
ボーラス(Tissue-equivalent Bolus)
IN ONE LINE
一言でいうと
体表面近くの線量を増やすために皮膚上へ置く組織等価物質です。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
放射線の最大線量の位置を浅くして、皮膚近くの病変に線量を届きやすくします。
身近なイメージ
表面に水に近い材料を足して、体の表面を少し厚くしたように扱います。
VISUAL GUIDE
図・グラフで確認
そもそもボーラスとは?
ボーラスは、皮膚表面へ密着させて置く組織等価物質で、患者表面を実質的に浅くし、高エネルギーX線のビルドアップをボーラス内で進めて皮膚・表在病変線量を増やします。
欠損部の補償、凹凸面の平坦化、電子線の飛程調整にも用います。皮膚との間に空気層があると予定した線量分布にならないため、材質・厚さ・密着性を確認します。
定義・しくみ
水または軟部組織に近い電子密度・減弱特性を持ち、ビーム入射面へ追加する物質です。光子線では最大線量深を患者表面側へ移動させ、皮膚温存効果を減らします。電子線では追加した水等価厚だけ実効飛程を短くします。
具体例で確認
皮膚直下の腫瘍へ6 MV X線を照射し、表面線量を増やす必要があるとします。
適切な厚さのボーラスを毎回同じ位置へ密着させます。ボーラスを置くと皮膚線量は一般に増えるため、『皮膚を保護する遮蔽材』とは考えません。
専門的にもう一歩
高エネルギーX線ではビルドアップ効果により表面線量が低くなるため、ボーラスで表在病変の線量を補います。材質密着、空気隙間、厚さが重要です。
臨床・測定での確認点
- CT撮影時から使用するか、計画装置内で仮想設定するかを治療手順と一致させます。
- 空気層、変形、日々の位置ずれは表面線量と標的被覆を変化させます。
- 電子線ではボーラス厚を水等価厚として飛程・エネルギー選択へ反映します。
- 湿潤ガーゼなど非均質な材料を使う場合は再現性と衛生管理を確認します。
覚えるポイント
- 表面線量を増やす
- ビルドアップ領域との関係
- 組織等価物質
間違えやすい点
- 深部線量を増やす道具と覚えない
- 空気隙間を無視しない
- 電子線治療でも使われる