RADIOLOGY GLOSSARY
FLAIR(Fluid-Attenuated Inversion Recovery)
IN ONE LINE
一言でいうと
反転回復法を用いて脳脊髄液の信号を抑制したT2強調系画像です。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
水の信号を消して、脳室周囲などの病変を見やすくする撮像です。
身近なイメージ
背景の明るすぎる光を消して、見たい文字を読みやすくするような方法です。
そもそもFLAIRとは?
FLAIRは、反転回復法で脳脊髄液など自由水の信号を抑えながら、T2強調コントラストを得るMRIシーケンスです。脳脊髄液が暗くなるため、その近くにある浮腫や脱髄病変の高信号を見つけやすくなります。
最初の180度反転パルス後、脳脊髄液の縦磁化がゼロを通る時点にTIを合わせて励起します。長いTR・長いTEと長いTIを組み合わせる点が、脂肪を抑えるSTIRとの重要な違いです。
定義・しくみ
180度反転パルスで縦磁化を反転させ、目的組織である脳脊髄液の縦磁化が0となる反転時間TIで90度励起を行い、その信号を抑制するIR法です。理想的な単一組織のnull pointはTI≈T1×ln2で表され、残る組織信号へ長いTEを用いてT2強調を与えます。
具体例で確認
T2強調像で脳室周囲の高信号を疑うものの、明るい脳脊髄液との境界が分かりにくい場合を考えます。
FLAIRでは脳脊髄液を低信号化し、脳室周囲病変のT2延長による高信号を目立たせます。ただし流れの遅い髄液や酸素投与などで抑制不良が生じる場合があります。
専門的にもう一歩
FLAIRは fluid attenuated inversion recovery の略です。脳梗塞、脱髄、くも膜下出血の一部などで有用ですが、CSF抑制不良や流れの影響に注意します。
臨床・測定での確認点
- 多発性硬化症、脳梗塞、浮腫、くも膜下腔病変などの評価でT2強調像と併用されます。
- 後頭蓋窩や脳室内では髄液流による不完全抑制が偽病変のように見えることがあります。
- FLAIRは自由水抑制、STIRは脂肪抑制であり、TIの長短と対象組織を対応させます。
- 反転回復を用いるため通常のSEより撮像時間が長くなり、TI設定のずれが抑制効果へ影響します。
覚えるポイント
- CSFを抑制する
- T2延長病変を見やすくする
- 反転時間TIが関係する
間違えやすい点
- 脂肪抑制法と混同しない
- すべての水が完全に消えると考えない
- T1強調画像として扱わない