RADIOLOGY GLOSSARY
STIR(Short-TI Inversion Recovery)
IN ONE LINE
一言でいうと
反転回復法を用いて脂肪信号を抑制するMRI撮像法です。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
脂肪の明るさを消して、浮腫や炎症を見やすくします。
身近なイメージ
背景の黄色いマーカーを薄くして、赤い印を目立たせるような方法です。
そもそもSTIRとは?
STIRは、脂肪の縦磁化がゼロになる短いTIで励起し、脂肪信号を抑制する反転回復法です。周波数選択的脂肪抑制と異なり、脂肪と水の共鳴周波数差ではなくT1差を利用します。
静磁場不均一の影響を受けにくく、広い範囲や磁場均一性が得にくい部位でも比較的均一な脂肪抑制を得やすい一方、SNR低下と撮像時間延長があり、脂肪以外のT1が短い組織も抑制し得ます。
定義・しくみ
180度反転パルス後、脂肪の縦磁化が0を通る短い反転時間TIで90度励起し、脂肪から横磁化を作らないことで信号を抑えるIR法です。null pointは概ねTI≈T1×ln2で決まり、磁場強度によって脂肪T1が変わるため適切なTIも変化します。
具体例で確認
骨髄脂肪の中に浮腫性病変がある四肢MRIを考えます。
STIRで背景の脂肪を低信号化すると、水分の多い浮腫が高信号として目立ちます。脂肪抑制後に高信号だからといって、病変の種類を一つに断定はできません。
専門的にもう一歩
STIRは short TI inversion recovery の略です。磁場不均一に比較的強い脂肪抑制ですが、T1短縮を示す造影効果も抑制され得るため造影後評価では注意します。
臨床・測定での確認点
- 脂肪の周波数だけを選ぶ方法ではないため、B0不均一に比較的強い特徴があります。
- Gd造影でT1が短縮した組織も抑制される可能性があり、一般に造影効果の評価目的では適しません。
- 脂肪信号だけでなく全体の信号も低下しやすく、SNR確保と撮像時間へ注意します。
- SPIR・CHESSなどの周波数選択的脂肪抑制と、原理・均一性・造影後適用を区別します。
覚えるポイント
- 脂肪抑制
- 骨髄浮腫の評価
- 造影後T1強調との使い分け
間違えやすい点
- FLAIRと抑制対象を混同しない
- 造影効果も抑え得る
- 周波数選択的脂肪抑制との違い