RADIOLOGY GLOSSARY
非可逆圧縮(Lossy Medical Image Compression)
IN ONE LINE
一言でいうと
圧縮時に一部の情報を捨てるため、完全には元に戻せない圧縮方式です。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
ファイルサイズは小さくしやすいですが、画像情報の一部は失われます。
身近なイメージ
写真を軽くするために細かい情報を少し省くようなものです。
そもそも非可逆圧縮とは?
非可逆圧縮は、人の視覚や用途に対して重要度が低いと判断した情報を一部捨て、展開後のデータを元と完全一致させない代わりに高い圧縮率を得る方式です。通信負荷や保存容量を大きく減らせます。
圧縮率を高くしすぎると、ブロック状、輪郭のにじみ、細部消失などのartifactが生じ、微細病変の観察や定量解析へ影響します。利用目的ごとに診断許容性を検証する必要があります。
定義・しくみ
復号画像が原画像と画素単位では一致せず、捨てた情報を完全には戻せない圧縮です。JPEGやJPEG 2000の非可逆モードなどがあり、周波数成分の量子化などでデータ量を減らします。見た目がほぼ同じでも、数値情報が完全保存されるとは限りません。
具体例で確認
参照用画像を高い圧縮率で配信し、微小石灰化を観察する場面を考えます。
通信は速くなりますが、微細な高周波情報が失われる可能性があります。原画像を保持し、用途に適した圧縮率を視覚評価と客観評価で検証します。
専門的にもう一歩
非可逆圧縮は保存容量や通信量を減らせますが、診断画像では圧縮率、画質劣化、規定・運用ルールの確認が必要です。
臨床・測定での確認点
- 圧縮率だけで画質を判断せず、modality、解剖部位、病変、表示条件を含めて評価します。
- 一度失われた情報は再保存しても戻らず、圧縮を繰り返すと劣化が増える場合があります。
- PSNRなどの数値指標が同じでも、臨床的に重要な構造の見え方は異なり得ます。
- 診断用、参照用、教育用など用途を明示し、原画像の保存方針を定めます。
覚えるポイント
- 完全復元できない
- 圧縮率は高くしやすい
- 診断画像での注意
間違えやすい点
- 画質劣化が全くないと考えない
- 可逆圧縮と混同しない
- 圧縮後画像で計測値が変わる可能性を考える