RADIOLOGY GLOSSARY
質量欠損(Mass Defect)
IN ONE LINE
一言でいうと
原子核を構成する自由な核子の質量の合計と、結合した原子核の質量との差です。核結合エネルギーに対応します。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
陽子と中性子をばらばらにした場合より、結びついた原子核の質量は小さくなります。この差が結合のエネルギーを表します。
身近なイメージ
同じZ・Nの核について、結合前の核子の合計質量と核質量を比較します。核から核子をばらばらにするには、この差に対応したエネルギーが必要です。
そもそも質量欠損とは?
質量差をc²倍すると結合エネルギーになります。
質量数や、原子質量と整数A uとの差である質量超過とは別です。
定義・しくみ
自由陽子Z個と自由中性子N個の静止質量の和から、対応する原子核の静止質量を引いた正の差Δmです。原子質量の表を使う場合は電子質量と電子の結合を含むかをそろえ、核質量と原子質量を混ぜません。
CORE FORMULA
基本公式
Δm=Zmp+Nmn−Mnucleus;B=Δmc²
FORMULA NOTES
公式の補足
mpとmnは自由粒子の質量です。
原子質量を用いる近似では水素原子質量等との電子数の整合が必要です。
具体例で確認
教材用に、自由核子の質量合計を20.170 u、核質量を20.000 uとする仮想例です。
Δm=0.170 u;B≈0.170×931.5=158.355 MeV
質量欠損は0.170 u、結合エネルギーは約158 MeVです。これは特定核種の実測値ではありません。
専門的にもう一歩
結合系の静止質量には内部エネルギーが含まれます。核形成でエネルギーが放出されるため、結合核の質量は構成粒子の和より小さくなります。質量超過は中性原子の質量とA uとの差を示す別の量で、符号や基準が異なります。核反応のQ値は反応前後の質量差であり、一核の結合エネルギーとも区別します。
臨床・測定での確認点
- 使用表が核質量か中性原子質量か確認します。
- uとMeV/c²の換算をそろえます。
- 教材用の丸め値で精密な反応しきい値を判断しません。
覚えるポイント
- 自由核子合計から核質量を引く
- B=Δmc²
- 質量超過とは異なる
間違えやすい点
- 質量数を質量欠損としない
- 核質量へ電子質量を無条件に加えない
- 結合エネルギーと反応Q値を同義にしない