RADIOLOGY GLOSSARY
位相エンコード(Phase Encoding in MRI)
IN ONE LINE
一言でいうと
傾斜磁場を一定時間加えて位置ごとに異なる位相を与え、その違いから空間情報を符号化するMRIの方法です。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
磁場の勾配を短く加え、場所によって回転の進み具合を変える方法です。位相の違いを使って画像の位置を区別します。
身近なイメージ
基本的なSE撮影では位相エンコードの勾配面積を変えて繰り返し、断面内の一方向を符号化します。EPIなどでは収集の進め方が異なります。
そもそも位相エンコードとは?
一般的な直交格子収集では勾配面積を変えて別のk空間線を選びます。
勾配を止めた後も、それまでに蓄積した位相差は残ります。
定義・しくみ
位置yに比例する周波数差を傾斜磁場Gyで一時的に作り、位相φ(y)=γy∫Gy(t)dtを蓄積する空間エンコードです。kをcycles/mで定義すればφ=2πkyyです。反復ごとにkyを変える方式のほか、複数の線を一回の励起で収集する方式もあります。
CORE FORMULA
基本公式
φ(y)=γy∫Gy(t)dt=2πkyy
FORMULA NOTES
公式の補足
Gyの面積には強度と印加時間の両方が含まれます。
γとkyの単位・2πの規約を統一します。
具体例で確認
教材用にky=25 cycles/m、二点の位置差Δy=0.010 mとします。
Δφ=2π×25×0.010= rad=90°
二点には90°の位相差が与えられます。一回の位相情報だけで全位置を一意に決めるものではありません。
専門的にもう一歩
位相は2π周期であるため、複数のエンコードを組み合わせて位置分布を復元します。位相方向のFOVが不足すると折り返しが生じ得ます。基本的な直交格子収集では位相線数が撮影時間に関係しますが、エコートレインや並列撮像などの方式を含めると単純なTR×線数だけでは時間を表せません。
臨床・測定での確認点
- 位相方向とFOVを確認します。
- 動きや流れのアーチファクトの方向も評価します。
- 高速化・間引き方法を含めて収集条件を記録します。
覚えるポイント
- 勾配面積による位相差
- 反復で異なるkyを取得
- 周波数エンコードとの違い
間違えやすい点
- 勾配を止めると位相差も直ちに消えるとしない
- 位相線は必ず一励起一線としない
- 位相差一つで全位置が決まるとしない