RADIOLOGY GLOSSARY

周波数エンコード(Frequency Encoding in MRI)

IN ONE LINE

一言でいうと

信号を読み出す間に傾斜磁場を加え、位置ごとの共鳴周波数差を使って空間情報を符号化するMRIの方法です。

BEGINNER GUIDE

はじめて学ぶ方へ

読み出し中に場所ごとで信号の周波数を変え、その違いから位置を見分けます。基本撮影では読み出し方向の情報を与えます。

身近なイメージ

一定の読み出し勾配を加えたMRIでは、異なる位置の信号が異なる周波数を持ちます。脂肪と水の化学シフトも周波数差を作るため、位置ずれへ影響する場合があります。

そもそも周波数エンコードとは?

線形な勾配の下では位置と周波数差が比例します。

受信帯域幅やサンプリングの設定も画素幅とアーチファクトに関係します。

定義・しくみ

読み出し傾斜磁場Gxによって局所の共鳴周波数を変え、位置xに対する周波数差Δf=(γ/2π)Gxxを生じさせる方法です。読み出した信号の周波数成分を空間分布へ対応させます。基準磁場の周波数と位置による周波数差を分けて扱います。

CORE FORMULA

基本公式

Δf=)GxΔx

FORMULA NOTES

公式の補足

、mmはmへ換算して使います。

式は一定で線形な勾配に対する周波数差です。

具体例で確認

教材用に水素核γ/2π=42.58 MHz/T、Gx=10 mT/m、二点の距離差0.010 mとします。

Δf=42.58×10⁶×0.010×0.010=4,258 Hz

二点の周波数差は約4.26 kHzです。勾配方向の符号によって差の向きは変わります。

専門的にもう一歩

読み出し中の勾配積分に沿ってk空間を移動し、時間ごとの信号をサンプリングします。受信帯域幅を変えると位置に対応する周波数幅、SNR、化学シフトの画素ずれなどが変わります。非直交の軌跡では勾配も時間的に変わるため、単一方向の一定勾配モデルだけでは収集全体を説明できません。

臨床・測定での確認点

  • 読み出し方向と受信帯域幅を確認します。
  • 画素当たり帯域幅と総帯域幅を区別します。
  • 周波数ずれが位置ずれへ与える影響を評価します。

覚えるポイント

  • 読み出し中の勾配
  • 位置と周波数の比例
  • 位相エンコードとの違い

間違えやすい点

  • 周波数エンコードをRF励起周波数の設定だけとしない
  • 化学シフトの周波数差を位置差と混同しない
  • 総帯域幅と画素当たり帯域幅を混ぜない