RADIOLOGY GLOSSARY
部分容積効果(Partial Volume Effect)
IN ONE LINE
一言でいうと
1つの画素やボクセル内に複数の組織が混ざり、測定値が平均化される現象です。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
小さなものを粗いマス目で見ると、境目がぼやけて値が薄まります。
身近なイメージ
白黒のタイルを遠くから見ると灰色に見えるようなイメージです。
VISUAL GUIDE
図・グラフで確認
そもそも部分容積効果とは?
部分容積効果は、一つの画素またはボクセルに複数の組織が含まれたとき、その信号やCT値が平均化される現象です。小さな病変や薄い構造ほど、周囲組織と混ざって本来の値を示しにくくなります。
CTでは厚いスライスや大きな画素で起こりやすく、MRIや核医学でも有限の空間分解能によって同様の過小評価が生じます。単なるランダムノイズではなく、標本化する体積の大きさに由来する系統的な影響です。
定義・しくみ
有限のボクセル内に異なる線減弱係数または信号強度を持つ複数物質が存在すると、再構成値が各成分の占有割合に応じた平均値として表される現象です。対象が装置の空間分解能より小さい場合にも周囲へ信号が広がり、真の値や大きさが過小評価されます。
具体例で確認
1ボクセルの半分が水0 HU、半分が骨1000 HUで単純な体積平均になるとします。
CT値 ≈ 0 × 0.5 + 1000 × 0.5 = 500 HU
表示値は水でも骨でもない約500 HUになります。500 HUの新しい物質が存在するのではなく、二つの組織が同じボクセルへ入った結果です。
専門的にもう一歩
CT、MRI、核医学で問題になります。小病変や薄い構造では、空間分解能やスライス厚によりCT値、信号、SUVが過小評価されることがあります。
臨床・測定での確認点
- 薄いスライス、小さい表示FOV、細かいマトリクスは部分容積を減らしますが、ノイズ増加とのバランスが必要です。
- 小結節、薄い骨皮質、造影血管などではROIが周囲を含まないよう配置します。
- CT値の異常が部分容積によるものか、ビームハードニングや金属アーチファクトによるものかを区別します。
- PETの小病変では有限分解能によりSUVが過小評価され、リカバリ係数が用いられることがあります。
覚えるポイント
- 小病変で値が低く見える
- スライス厚・空間分解能
- SUV評価への影響
間違えやすい点
- ノイズだけの問題と考えない
- 病変が小さいほど影響が大きい点を忘れない
- 核医学でも重要な点を忘れない