RADIOLOGY GLOSSARY
陽電子(Positron)
IN ONE LINE
一言でいうと
電子と同じ静止質量を持ち、電荷の符号が正である電子の反粒子です。PETの消滅放射線を生む過程に関与します。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
電子の相手にあたる、正の電気を持つ粒子です。電子と対消滅すると、エネルギーが光子として放出されます。
身近なイメージ
18Fから放出された陽電子は組織中を移動して電子と対消滅します。PETの検出器は、この過程で発生する二つの光子を検出します。
そもそも陽電子とは?
陽電子はβ+壊変や電子対生成などで生じます。陽子とは質量も粒子の種類も異なります。
PETは通常、陽電子自体ではなく、電子との対消滅で生じる光子を同時計数します。
定義・しくみ
電子の反粒子で、電荷+e、静止質量meを持ちます。物質中で運動エネルギーを失った後に電子と対消滅すると、静止に近い二光子消滅では各光子のエネルギーが約511 keVとなります。
CORE FORMULA
基本公式
e+ + e− → 2γ(静止に近い二光子消滅)
FORMULA NOTES
公式の補足
静止質量と電荷の大きさは電子と同じです。
飛行中消滅や三光子消滅まで、二光子の式で一括しません。
具体例で確認
電子と陽電子がともに静止に近い状態で、二光子へ対消滅すると仮定します。
Eγ1 + Eγ2 ≈ 2mec² = 1.022 MeV
各光子は約0.511 MeVです。β+粒子の放出時の運動エネルギーを511 keV固定とはしません。
専門的にもう一歩
陽電子は対消滅までの間にも電離・励起を起こします。放出点と消滅点が一致しないため、陽電子飛程はPETの分解能を制限する一因です。二光子はほぼ反対方向ですが、消滅前の電子・陽電子の運動量により完全な180°からわずかにずれます。
臨床・測定での確認点
- PETの位置情報は消滅光子の検出から推定します。
- 陽電子の飛程は核種と媒質に依存します。
- 511 keVは静止に近い二光子消滅の近似値です。
覚えるポイント
- 正電荷を持つ電子の反粒子
- 消滅光子は通常各511 keV
- PETでは消滅光子を検出する
間違えやすい点
- 陽子と混同しない
- 陽電子が直接ガンマカメラの光子検出を担うとしない
- β+線のエネルギーを単一の511 keVとしない