RADIOLOGY GLOSSARY
放射線加重係数(Radiation Weighting Factor)
IN ONE LINE
一言でいうと
放射線の種類・エネルギーによる低線量の確率的影響の違いを防護上考慮する係数です。臓器平均吸収線量から等価線量を求める際に使います。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
同じ吸収線量でも放射線の種類によって防護上の扱いが違うため、重みを付ける数です。臓器ごとの重みとは別です。
身近なイメージ
教材用に、同じ臓器の光子による吸収線量1 mGyをwR=1で重み付けすると、等価線量の光子成分は1 mSvです。
そもそも放射線加重係数とは?
等価線量HT=ΣR wR DT,Rの計算に使います。
組織加重係数wT、線質係数Q、個別実験のRBEと区別します。
定義・しくみ
臓器・組織Tが放射線Rから受ける平均吸収線量DT,Rに掛ける無次元係数です。ICRP 103を採用したBSSでは光子・電子が1、陽子が2、α粒子・重イオンが20、中性子はエネルギーの連続関数です。組織反応や治療効果を患者ごとに予測する係数ではありません。
CORE FORMULA
基本公式
HT = ΣR wR DT,R
FORMULA NOTES
公式の補足
DT,RはGy、HTはSvで表し、wRは無次元です。
中性子のwRを全エネルギーで一律20にしません。
具体例で確認
教材用に一臓器の光子成分1 mGyとα成分0.10 mGyを仮定し、それぞれwR=1、20とします。
HT = 1×1 + 20×0.10 = 3 mSv
等価線量は3 mSvです。吸収線量の合計1.10 mGyと量・単位の名称が異なります。
専門的にもう一歩
防護量は臓器平均吸収線量を使い、外部では入射放射線、内部では取り込まれた核種の放出放射線に対応する重みを用います。RBEは終点・線量・線量率などに依存する実験的な量で、wRと同じ値とは限りません。運用量である線量当量はQを使う別の定義で、同じSvでも式を取り違えないことが重要です。
臨床・測定での確認点
- 採用する防護体系・係数表を明示します。
- 放射線成分ごとの臓器平均吸収線量を区別します。
- 治療線量の処方換算へそのまま使用しません。
覚えるポイント
- 放射線の種類による重み
- 等価線量の加重和
- wT・Q・RBEとの違い
間違えやすい点
- 臓器感受性の係数としない
- 陽子線治療のRBEをwR=2から決めない
- mGyとmSvを無条件に交換しない