RADIOLOGY GLOSSARY
散乱線(散乱放射線)
IN ONE LINE
一言でいうと
放射線が物質と相互作用して進行方向を変えたものです。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
まっすぐ来るはずのX線が、体の中で曲がったり広がったりしたものです。
身近なイメージ
霧の中でライトを照らすと光が周囲に広がるように、X線も散らばります。
そもそも散乱線とは?
散乱線は、一次放射線が物質と相互作用して進行方向やエネルギーを変えた放射線です。診断X線領域では患者体内のCompton散乱が主な発生源となり、受像器へ入ると画像全体へ不要な信号を加えてコントラストを低下させます。
同時に検査室内の職業被ばくの主な線源でもあります。照射野を絞る、グリッドやエアギャップを用いる、患者から距離を取る、遮蔽するなど、画質と防護の両面で管理します。
定義・しくみ
入射放射線が物質中で相互作用した後、元の進行方向と異なる方向へ放出された放射線の総称です。診断X線では非干渉性のCompton散乱が中心で、散乱線含有率や一次線対散乱線比によって受像器へ入る散乱の程度を評価します。被写体厚、照射野、管電圧が増すと一般に散乱線量は増えます。
具体例で確認
同じ腹部撮影で照射野を必要範囲より大きく広げた場合を考えます。
照射される体積が増えて散乱線が多く発生し、受像器コントラストが低下するとともに患者線量も増えます。コリメーションは画質改善と被ばく低減を同時に行える基本操作です。
専門的にもう一歩
診断領域では主にコンプトン散乱が散乱線の原因となり、画像コントラストを低下させます。グリッド、照射野絞り、圧迫、エアギャップなどで低減します。
臨床・測定での確認点
- グリッドは散乱線を除去しますが一次線も一部吸収するため、通常は撮影条件と患者線量が増えます。
- 患者から離れると散乱線による職業被ばくは逆二乗則に従って大きく減少します。
- 管電圧上昇では散乱線の量・方向分布と一次線コントラストの両方が変化します。
- 照射野を絞ることは散乱線低減の第一選択で、画像処理だけでは患者へ発生した散乱を減らせません。
覚えるポイント
- 画像コントラストを低下させる
- コンプトン散乱との関係
- グリッドや照射野絞りで低減
間違えやすい点
- 散乱線が画質を良くすると考えない
- 被写体厚や照射野サイズの影響を忘れない
- 散乱線除去で患者線量が変わる点に注意する