RADIOLOGY GLOSSARY
二次電子(Secondary Electron)
IN ONE LINE
一言でいうと
一次放射線が物質と相互作用して、放出または生成する電子です。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
光子が直接線量を置くというより、飛び出した電子が周囲へエネルギーを渡します。
身近なイメージ
ボールが壁に当たり、壁の一部が飛び出して周囲に当たるイメージです。
VISUAL GUIDE
図・グラフで確認
そもそも二次電子とは?
二次電子は、一次放射線が物質と相互作用して放出または生成する電子です。光電効果では光電子、Compton散乱では反跳電子が放出されます。高エネルギー光子の電子対生成では、原子内の電子を放出するのではなく電子と陽電子が新たに生成されます。
光子線照射で組織へ実際にエネルギーを与える主役は、この二次電子です。電子は電離と励起を繰り返しながら飛程の周囲へエネルギーを分配するため、電子平衡、ビルドアップ、吸収線量を一続きの概念として理解できます。
定義・しくみ
一次放射線と物質との相互作用によって放出または生成された電子を二次電子と呼びます。電子の運動エネルギーは主として電離・励起などの衝突で物質へ付与され、一部は制動放射として失われます。電子対生成で生じる陽電子は電子と区別します。光子から荷電粒子へのエネルギー移行と、その後のエネルギー付与をつなぐ概念です。
具体例で確認
高エネルギーX線が水中でCompton散乱を起こすと、反跳電子が飛び出し、進路上の水分子を次々に電離します。
相互作用点だけに線量が付与されるのではなく、反跳電子の飛程に沿ってエネルギーが広がります。この非局所性がビルドアップや境界近傍の線量変化を生みます。
専門的にもう一歩
高エネルギー光子線の線量付与は二次電子の飛程に強く支配されます。電子平衡、ビルドアップ、吸収線量測定で重要な概念です。
臨床・測定での確認点
- 光子エネルギーが高いほど二次電子の最大飛程は長くなり、電子平衡に必要な領域も広くなります。
- 肺など密度の低い組織や小照射野では側方電子平衡が崩れ、単純な水等価近似が難しくなります。
- 装置ヘッドや空気中で生じる混入電子は、治療ビームの表面線量を増加させる要因です。
- 『光子が直接すべての線量を与える』という説明は不十分で、荷電粒子によるエネルギー付与まで追います。
覚えるポイント
- 電子平衡との関係
- ビルドアップの原因
- 高エネルギーほど飛程が長い
間違えやすい点
- 光子と電子を同じ粒子として扱わない
- 二次電子の飛程を無視しない
- 線量付与の主役を取り違えない